【葛根湯】処方される顆粒薬の効果・副作用・飲み方を解説

葛根湯とは？

「ゾクッとした風邪のひき始め」「首や肩のこり」「頭痛」
そんなときに多くの医師がまず思い浮かべるのが、葛根湯（かっこんとう）です。

葛根湯は、体を温めて発汗を促し、体に侵入した“風邪の邪気”を外へ追い出す代表的な漢方薬です。風邪薬として知られていますが、実は肩こりや頭痛、筋肉痛などにも応用される処方です（参考※1）。

この記事では、葛根湯の効果・副作用・服用方法から、オンライン診療での処方までを、医師の視点で詳しく解説します。

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※1 参考：ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ葛根湯エキス顆粒（医療用）」https://medical.tsumura.co.jp/products/001/pdf/001-if.pdf

葛根湯の効果

葛根湯は、体表（たいひょう）に邪気が入った「表証（ひょうしょう）」の初期段階に使われる漢方薬です。つまり、まだ寒気や筋肉のこわばり、発熱が軽度な段階に適しています。

体の表面にある筋肉をゆるめ、発汗を促すことで体の防衛反応を助けるのが特徴です。風邪の初期だけでなく、首・肩の筋肉の緊張を和らげる作用があるため、肩こりや頭痛にも処方されます（参考※2）。

また、血流を改善することで筋肉痛や関節痛の緩和にも役立ちます。体を芯から温める作用があるため、冷えからくる不調にも用いられることがあります。

※2 出典：漢方ナビ「葛根湯」

https://www.kamponavi.com/med/960

葛根湯の構成生薬

葛根湯は、次の7つの生薬から構成されています。それぞれが発汗・鎮痛・抗炎症などの作用を持ち、総合的に風邪の初期症状を緩和します（出典※3）。

構成は「葛根」「麻黄」「桂皮」「芍薬」「甘草」「大棗」「生姜」の7種類です。

• 葛根（かっこん）は体を温め、首や肩の筋肉をゆるめて血行を促進する
• 麻黄（まおう）は発汗・解熱作用が強く、体内の風邪の邪気を外に出す
• 桂皮（けいひ）は体を温めるとともに、発汗・鎮痛作用を補助する
• 芍薬（しゃくやく）は筋肉の緊張を和らげる鎮痙作用を持つ
• 甘草（かんぞう）は炎症を抑え、他の生薬のバランスを整える
• 大棗（たいそう）は胃腸を保護し、体力を補う
• 生姜（しょうきょう）は体を温め、消化を助ける

これらの生薬が相互に作用し、発汗による解熱・鎮痛・抗炎症をバランスよく発揮します。特に「葛根」と「麻黄」が中心的な役割を果たし、体の表面から病邪を取り除くのがこの処方の特徴です。

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※3 出典：漢方ナビ「葛根湯」

https://www.kamponavi.com/med/960

葛根湯の適応と使い方のポイント

葛根湯は、「体力があり、発熱・悪寒・頭痛・筋肉痛を伴う風邪の初期」に最も適しています。

東洋医学的には「実証（じっしょう）」の人、つまり比較的体力がある人に向く処方とされます。

風邪が進行して高熱や喉の痛みが強い段階では、体力を消耗しやすくなるため、他の処方（麻黄湯、小青竜湯など）が適する場合もあります。

また、肩こりや首のこわばりなど、風邪以外の筋緊張症状にも応用されます。特に、パソコン作業や冷房による肩こり、緊張性頭痛に対して、体を温めて血流を改善する目的で使われます（参考※4）。

※4 参考：漢方ナビ「葛根湯」

https://www.kamponavi.com/med/960

葛根湯の用法・用量と飲み方

ツムラ医療用葛根湯エキス顆粒は、成人で1日7.5g（1回2.5gを1日3回）、食前または食間に水または白湯で服用します（出典※5）。

空腹時に服用することで、生薬の吸収がより良くなり、発汗・解熱効果が出やすくなります。

冷えを感じるときには、服用後に体を温めて休むとより効果的です。

「発汗作用が強い薬剤のため、服用後は多量の発汗が起こることがある」（※5）

ため、脱水を防ぐためにも水分補給を忘れずに行うことが推奨されています。

※5 出典：ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ葛根湯エキス顆粒（医療用）」

https://medical.tsumura.co.jp/products/001/pdf/001-if.pdf

葛根湯の副作用と注意点

葛根湯は比較的安全性の高い薬ですが、体質や併用薬によっては注意が必要です。

報告されている主な副作用は、発疹・発赤・かゆみなどの過敏症状、まれに肝機能異常（AST、ALT、γ-GTP上昇）などが報告されています（出典※6）。

また、構成生薬の「麻黄」にはエフェドリンが含まれ、交感神経を刺激して血圧上昇・動悸・不眠を引き起こすことがあります。高血圧、心疾患、不眠傾向のある方は医師に相談が必要です。

さらに、妊娠中や授乳中は安全性データが十分でないため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与とされています（出典※6）。自己判断で服用せず、必ず医師に相談しましょう。

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※6 出典：添付文書・薬剤情報（PMDA）「ツムラ葛根湯エキス顆粒（医療用）」

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200013D1123_1_13/

葛根湯の薬価

病院やクリニックで処方される医療用の葛根湯は、保険適用時には3割負担で5〜7日分でも数百円程度です。

（薬価や実費はメーカー・年度により異なります）

葛根湯を入手するには？｜オンライン診療の活用も可能

葛根湯は、医療機関で処方される医療用医薬品としても、ドラッグストアや通販で購入できる一般用医薬品（OTC）としても販売されています。

ただし、風邪の初期症状と似た体調不良（インフルエンザ、扁桃炎、緊張性頭痛など）も多く、自己判断での使用は注意が必要です。

症状を繰り返す、悪化する、長引く場合には医療機関を受診し、適切な診断を受けましょう。

近年はオンライン診療にも対応するクリニックが増えており、通院が難しい場合でも自宅から診察・処方が可能です。

オンライン診療では、薬の効果や副作用、飲み合わせの注意点についても丁寧に説明があり、安心して治療を続けられます。症状によっては、医師が対面診療を勧める場合もあります。

「患者目線のクリニック」のオンライン診療でも葛根湯の処方に対応しており、予約から診察・決済・薬の配送までを自宅で完結できます。薬は自宅配送のほか、最寄りの薬局で受け取ることも可能です。

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よくある質問（Q&A）

Q：葛根湯はどんな人に向いていますか？

比較的体力があり、風邪の初期や首・肩のこり、軽い頭痛などに悩む方に適しています（参考※7）。

※7 参考：ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ葛根湯エキス顆粒（医療用）」

https://medical.tsumura.co.jp/products/001/pdf/001-if.pdf

Q：どのくらいで効果が出ますか？

個人差はありますが、経験則上は早い方だと服用後1〜2時間で体が温まり、軽い発熱や筋肉痛が和らぐことがあります。

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Q：他の薬と一緒に飲んでも大丈夫？

市販の総合感冒薬などにも麻黄や甘草が含まれていることがあり、併用すると副作用（高血圧・浮腫・低K血症）が強まることがあります。医師や薬剤師に相談しましょう。

Q：妊娠中や授乳中でも使えますか？

妊婦または妊娠している可能性がある場合は、エフェドリン含有による子宮収縮や胎児への影響の可能性があるため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用されます（出典※8）。

授乳中に関しても安全性データが十分でないため、必要に応じて医師と相談のうえで使用するのが望ましいとされています。

自己判断での服用は避け、必ず医師に相談しましょう。

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※8 出典：添付文書・薬剤情報（PMDA）「ツムラ葛根湯エキス顆粒（医療用）」

https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/5200013D1123_1_13/

まとめ

葛根湯は、風邪の初期や肩こり、筋肉痛など、体の冷えとこわばりを感じるときに用いられる代表的な漢方薬です。7つの生薬が相乗的に作用し、体を温めて発汗を促すことで、自然治癒力を助けます。臨床現場でもよく使われている漢方です。

一方で、他の漢方薬や総合感冒薬と成分が重複すると副作用のリスクが高まります。また、妊娠中や授乳中は、自己判断での使用を避け、必ず医師に相談することが大切です。

体調の変化を感じたら、早めに医師へ相談し、適切なタイミングで使うことで、葛根湯は心強い味方になります。
オンライン診療を通じて、自宅からでも診察・処方を受けられる今の時代なら、安心して早期対応ができます。
無理をせず、体のサインに気づいたその瞬間から、医師と一緒に整えていきましょう。

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