防風通聖散は市販で購入できる？防風通聖散の成分量・生薬・効果・副作用について詳しく解説

防風通聖散とは何か

漢方薬としての特徴

防風通聖散は、肥満に伴う便秘やむくみ、肩こり、のぼせなどの症状を改善する目的で用いられる漢方薬です。多数の生薬が組み合わさった処方で、体内の余分な熱や水分を取り除きながら、排便を促す作用をあわせ持つことが特徴です。

防風通聖散には体の熱をさばく生薬、通じを良くする生薬、体内の水分バランスを整える生薬が含まれており、これらが複合的に働くことで症状の改善が期待されます。作用として「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの次の諸症：高血圧の随伴症状（どうき、肩こり、のぼせ）、肥満症、むくみ、便秘」への使用が示されています。

出典：ツムラ「ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)」https://medical.tsumura.co.jp/products/062/pdf/062-tenbun.pdf

防風通聖散の構成生薬と成分量・エキス量

防風通聖散は、多数の生薬を組み合わせてつくられる漢方薬です。

ここで示す「構成生薬」と「配合量」は、ツムラ（医療用）防風通聖散エキス顆粒の本品7.5g中に含まれる生薬の種類と量となります。

ツムラ（医療用）防風通聖散エキス顆粒の構成生薬・配合量（本品7.5g中）

• カッセキ：3.0g
• オウゴン：2.0g
• カンゾウ：2.0g
• キキョウ：2.0g
• セッコウ：2.0g
• ビャクジュツ：2.0g
• ダイオウ：1.5g
• ケイガイ：1.2g
• サンシシ：1.2g
• シャクヤク：1.2g
• センキュウ：1.2g
• トウキ：1.2g
• ハッカ：1.2g
• ボウフウ：1.2g
• マオウ：1.2g
• レンギョウ：1.2g
• 無水ボウショウ：0.7g
• ショウキョウ：0.3g

これらの生薬を抽出し、得られたエキスを加工したものが、医療用の防風通聖散エキス顆粒です。このように複数の生薬を一定量ずつ組み合わせた処方により、便秘を改善し、肥満に伴う諸症（どうき、肩こり、のぼせ、むくみ等）の改善を目的として用いられます。

出典：ツムラ「ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)」https://medical.tsumura.co.jp/products/062/pdf/062-tenbun.pdf

防風通聖散が便秘や肥満症に用いられる理由

防風通聖散は、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちな人にみられる複数の症状を改善する目的で用いられる漢方薬です。アジア地域（日本・中国・韓国）の肥満患者を対象とした臨床研究では、防風通聖散を使用した群でBMIが平均約0.52kg/m²程度低下したという報告があります。肥満症治療では小さな変化の蓄積が重要なため、このような数値改善は一定の意義があります。

防風通聖散の処方には、排便を促す作用を持つダイオウに加えて、同じく通便作用を担う無水ボウショウが組み込まれています。これらの生薬が協調して働くことで便通を改善し、肥満に関連する諸症状の緩和にもつながると考えられています。また、複数の生薬を組み合わせた処方であるため、便秘と肥満症が重なっているケースに適した特徴を持ちます。

出典：UnedaK，KawaiY，YamadaT，etal.「JapanesetraditionalKampomedicinebofutsushosanimprovesbodymassindexinparticipantswithobesity：Asystematicreviewandmeta－analysis．」https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9007387/pdf/pone.0266917.pdf

防風通聖散の効果が現れやすい人の特徴

防風通聖散は、体質や症状の特徴によって効果が現れやすいとされる漢方薬です。添付文書に示される「腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなもの」という適応に加えて、漢方医学的な視点では以下の特徴をを持つ人が向いているとされています。

体力があり、活動的なタイプ

防風通聖散は、漢方で「実証」と呼ばれるタイプの人に向いているとされています。「実証」というのは、体力がしっかりあり、日ごろから活動的で、病気に対して体がはっきり反応しやすい状態を指します。

たとえば、「普段から元気に動ける」「多少の不調があっても体が踏ん張れる」「食欲があり、胃腸の働きも悪くない」といった特徴がある人です。こうしたタイプは体の代謝が活発で、生薬の働きがスムーズに届きやすいため、防風通聖散の作用を実感しやすい傾向があります。

胃腸の働きがしっかりしている人

防風通聖散は複数の生薬を含むため、胃腸の力が十分にある人のほうが飲み始めやすいとされます。

便秘しやすい人

防風通聖散には排便を促す生薬（ダイオウや無水ボウショウ）が含まれており、便秘がちな人のほうが効果を実感しやすい傾向があります。

お腹の中央が盛り上がるような内臓脂肪タイプの肥満

仰向けになったとき、へその周りが縦に盛り上がるように見えるタイプの肥満（内臓脂肪型）の人に向いているとされています。体の表面（皮下）というよりも、腹部の内部に脂肪がつきやすい体型です。

これらに当てはまる場合、防風通聖散の持つ排便作用や、複数の生薬が組み合わさって働く代謝面のサポートが活かされやすく、症状の改善につながる可能性があります。

出典：畝田一司「使いどころがわかる!病棟でよくでる漢方薬20防風通聖散(解説)」https://mol.medicalonline.jp/library/journal/download?GoodsID=an1yakgl/2024/006615/027&name=2981-2985j&UserID=1100000665-AA&base=jamas\_pdf

防風通聖散の作用機序

防風通聖散は、複数の生薬が組み合わさって働く漢方薬で、体の中のさまざまな仕組みに影響しながら、肥満や便秘などの症状改善を支えます。ひとつの成分が単独で働くというよりも、複数の生薬がそれぞれの役割を持ちながら同時に作用する点が特徴です。

まず、排便を促す働きを持つ生薬（ダイオウ、無水ボウショウ）が含まれているため、便秘によるお腹の張りを改善しやすくなります。

さらに、基礎研究では、防風通聖散がエネルギー代謝に関連する働きにも影響する可能性が示されています。たとえば、体温を作る働きに関わる褐色脂肪細胞を活性化させる作用や、食欲の調整に関わる仕組みを介して代謝を整えることにより、食欲を抑制する作用が報告されています。

これらの作用が重なり合うことで、肥満症や便秘、むくみ、高血圧に伴うどうき・肩こり・のぼせといった症状の改善につながると考えられています。

出典：畝田一司「使いどころがわかる!病棟でよくでる漢方薬20防風通聖散(解説)」https://mol.medicalonline.jp/library/journal/download?GoodsID=an1yakgl/2024/006615/027&name=2981-2985j&UserID=1100000665-AA&base=jamas\_pdf

防風通聖散の安全性と副作用

防風通聖散は多くの生薬を組み合わせた漢方薬であり、体質や体調によっては副作用が起こることがあります。添付文書に記載されているものに加え、漢方の専門領域ではいくつか注意すべき症状が知られています。代表的な副作用は次のとおりです。

注意しておきたい副作用

肝臓のトラブル

防風通聖散に含まれる生薬の影響で、まれに肝機能が低下することがあります。

症状の例としては、だるさ、食欲が落ちる、皮膚や白目が黄色くなる（黄疸）などが挙げられます。

肺の異常（間質性肺炎など）

ごくまれですが、息苦しさや咳が続く、発熱があるといった症状が現れることがあります。体調の変化に気づいた場合は早めに受診が必要です。

偽アルドステロン症（低カリウム血症）

甘草（カンゾウ）によって起こる可能性がある副作用で、高血圧、足のむくみ、だるさ、こむら返りなどが症状として現れます。高齢の方や、血圧関連の薬を使っている方では注意が必要です。

動悸や血圧上昇

マオウはエフェドリンという交感神経を刺激する成分が入っているため、心臓がドキドキする、脈が速くなる、血圧が上がるなどの症状が出ることがあります。特に高齢者や心臓・血圧の病気がある人は慎重な判断が必要です。

激しい下痢や腹痛

ダイオウや無水ボウショウなど、排便を促す生薬が含まれているため、体質によっては作用が強く出すぎてしまう場合があります。腹痛や水のような下痢が続くときは、服用を中断し医師に相談する必要があります。

これらの副作用は、多くの人に必ず起こるものではありません。しかし、体質や持病、他の薬との組み合わせによっては症状が現れやすくなることがあります。気になる症状が出た場合は、早めに医師へ相談することが大切です。

長期使用に伴うリスク

防風通聖散は、正しく使えば多くの人にとって有用な漢方薬ですが、長い期間にわたって飲み続ける場合には注意しておきたい点があります。とくに、症状が改善しても漫然と飲み続けてしまうと、まれに体へ負担がかかることがあります。

腸間膜静脈硬化症（ちょうかんまくじょうみゃくこうかしょう）

防風通聖散に含まれる生薬「サンシシ（山梔子）」は、長期間の使用で腸の血管に影響を与えることがあり、「腸間膜静脈硬化症」というまれな病気が知られています。

この病気は腸の静脈が硬くなることで、次のような症状が出ることがあります。

• お腹の痛み
• 下痢
• 便に血が混ざる（便潜血）
• 食欲が落ちる

通常の使用期間であれば起こることは非常にまれですが、5年以上の長期間にわたり継続して使用した場合には特に注意が必要とされています。

漫然と続けないことが大切

体質に合った薬であっても、必要以上に長く飲み続けると負担が強くなることがあります。症状が落ちついてきた場合や、当初の目的と状況が変わった場合には、医師と相談して服用期間を見直すことが大切です。

​​出典：ツムラ「ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)」https://medical.tsumura.co.jp/products/062/pdf/062-tenbun.pdf

防風通聖散が向かない人

防風通聖散は、体質や体調によっては合わない場合があります。無理に続けると副作用が出やすくなることがあるため、以下のようなタイプの人は使用を慎重に判断する必要があります。

体力が落ちている人・虚弱体質の人

防風通聖散は、体力や代謝がしっかりしている「実証」と呼ばれるタイプの人に向く漢方薬です。普段から疲れやすい、食欲が落ちやすい、風邪をひきやすいなど、体力が低下している人では、薬の刺激が強く感じられ、胃腸症状やだるさが出やすくなる可能性があります。

胃腸が弱い人

防風通聖散には、排便を促す生薬（ダイオウ、無水ボウショウ）が含まれているため、普段からお腹をこわしやすい人や胃腸が弱い人では、腹痛・下痢などが起こりやすくなることがあります。

心臓・血圧に問題がある人

麻黄（マオウ）によって心拍数が上がることがあり、動悸や血圧上昇が強く出てしまう場合があります。高血圧、狭心症、不整脈などの持病がある場合は、特に慎重に判断する必要があります。

病気のあとで体力が大きく落ちている人

病気の直後は体力が回復しきっていないことがあります。こうした時期に防風通聖散のような刺激のある漢方薬を使うと、体が負担を感じやすく、副作用が出やすくなることがあります。「最近まで寝込んでいた」「体力が戻らない」という人は注意が必要です。

汗をかきやすい体質の人

防風通聖散には、交感神経を刺激して体を活発にする成分が含まれています。もともと汗をかきやすい人では、飲むことでさらに発汗が増えたり、全身のだるさが出ることがあります。

尿が出にくい・排尿に問題がある人

前立腺の病気などで尿が出にくい人では、防風通聖散によって症状が悪化することがあります。

「トイレが近い」「尿が出にくい」などの症状がある場合は、使用前に医師へ相談が必要です。

甲状腺の働きが強くなっている人（甲状腺機能亢進症）

甲状腺の働きが強いと、脈が速くなる、汗が増える、イライラしやすいなどの症状が出ます。

防風通聖散にも似た方向に働く成分が含まれているため、症状が強まる可能性があります。

腎臓に問題がある人

腎臓が弱っている場合、体の電解質のバランスが崩れやすくなります。防風通聖散に含まれる生薬の影響で症状が悪化する可能性があるため、腎機能に不安がある人は慎重に判断する必要があります。

防風通聖散の正しい飲み方

用量と用法

防風通聖散は、生薬をエキス化した漢方薬で、飲む量やタイミングが決められています。正しく服用することで効果を実感しやすくなり、副作用のリスクも抑えられます。

1日の服用量

防風通聖散は、通常1日2～3回に分けて決められた量を飲みます。市販品では商品ごとに含まれる生薬量（エキス量）が異なるため、1日量は製品パッケージに記載された指示に従ってください。

服用タイミング

多くの製品では食前または食間に水または白湯で飲むように指示されています。これは、空腹時のほうが生薬が吸収されやすいためです。

• 食前：食事の1時間〜30分ほど前（胃に食べ物が入っていないとき）
• 食間：食後2時間ほど経ったタイミング

と理解しておくと、生活のなかでも無理なく続けやすくなります。

出典：ツムラ「ツムラ漢方製剤エキス顆粒(医療用)の服用について」https://medical.tsumura.co.jp/support/fukuyaku/fukuyakushidou2

自己判断で量を増やさない

「便秘が強いから少し多めに」「効果が弱いから倍量に」という飲み方は危険です。

防風通聖散には、排便を促す生薬や交感神経を刺激する生薬が含まれているため、

容量オーバーは副作用を強める原因になります。

症状が改善しない場合は、量を増やすのではなく、医師に相談することをおすすめします。

市販の防風通聖散の選び方と購入ガイド

市販の防風通聖散は、同じ名称でも製品によって配合されている生薬エキス量が異なることが大きな特徴です。これは、メーカーごとに定める処方量の違いによるものです。

満量処方とその他の処方量

市販薬には「満量処方」として、医療用に近い生薬量を含むタイプがあります。

一方で、市販の多くの製品は医療用漢方薬の50〜80％程度の配合量に設定されています。メーカーによって「1/2量」「2/3量」などの表記がされる場合もあります。

出典：ツムラ「自分に合った薬を服用するために知っておきたいこと」https://www.tsumura.co.jp/kampo-view/column/kvnews/4154.html

なぜ生薬量に差があるのか

一般用医薬品（市販薬）は、処方箋が不要で幅広い人が使用するため、安全性を考慮して成分量を抑えた設計となっている場合があります。

製品ラベルの「1日量」を確認する

市販品には必ず、1日の服用量と、その中に含まれる防風通聖散エキス量が記載されています。

例

• 1日量6g中、防風通聖散エキス4.5g
• 6錠中、防風通聖散エキス3g

この表記により、製品ごとの生薬量の違いを確認できます。

顆粒・錠剤タイプの違い

顆粒タイプ（分包タイプを含む）

顆粒タイプは、細かい粉末状の生薬エキスが1回分ずつ袋に入った“分包タイプ”になっていることがほとんどです。「顆粒」と「分包」は形が違うのではなく、顆粒という剤形を使いやすいように袋に入れたものと理解するとわかりやすいです。

メリット

• 水やぬるま湯で飲むだけでOK
• 1回分が袋に入っていて扱いやすい
• 持ち運びしやすく、外出先でも服用できる

注意点

• 粉が苦手な人には飲みづらい
• 生薬特有の風味や香りを感じやすい
• 袋を開けにくい場合がある

顆粒タイプは“漢方薬らしさ”があり、生薬の風味が気にならない人には使いやすい形です。

錠剤タイプ

顆粒を固めて飲みやすい形にしたものが錠剤タイプです。粉が苦手な人でも続けやすく、味やにおいが気になりにくいのが特徴です。

メリット

• 味やにおいが気にならない
• 持ち運びがしやすく、服用がスムーズ
• 粉がこぼれる心配がない

注意点

• 製品によっては1回の錠数が多め
• 錠剤が大きく飲みにくいと感じることがある
• 顆粒より崩壊に時間がかかる場合がある

漢方の味や香りが苦手な人や、外出先で手軽に飲みたい人に向いています。

このように、市販の防風通聖散は顆粒（分包）と錠剤の2タイプが中心です。

どちらが優れているというわけではなく、飲みやすさの好みで選ぶのがポイントです。

市販されている防風通聖散の主な製品例

一般用医薬品として市販されている代表的防風通聖散は、

• ツムラ漢方防風通聖散エキス顆粒：ツムラ
• 防風通聖散科エキス「至聖」：北日本製薬株式会社
• 新・ロート防風通聖散錠T：ロート製薬
• コッコアポ®︎EX錠：クラシエ
• クラシエ漢方防風通聖散料エキスFC錠：クラシエ

など、多数のメーカーが販売しています。

自分に合う商品を判断する際のポイント

市販の防風通聖散は製品ごとに特徴が異なるため、購入前にいくつかのポイントを確認しておくと、自分に合う商品を選びやすくなります。

1日の服用量とエキス量

市販品では、同じ「防風通聖散」でも1日の服用量や含まれるエキス量が異なります。パッケージの「1日量」「エキス量」の欄を確認することで、それぞれの製品の強さや特性を比較できます。

年齢制限の有無

商品によっては「15歳以上から」などといった年齢制限が設けられている場合があります。子どもに使用する場合は、年齢条件を確認することが重要です。

配合されている添加物

製品によって、賦形剤やコーティング剤などの添加物が異なります。添加物に対して敏感な人は、成分表を確認しておくと安心して使用できます。

1回に飲む量（包数・錠数）や1日の服用回数

同じ成分量でも、製品によって「1回に飲む包数」や「錠数」、また「1日の服用回数」が異なります。毎日服用することを考えると、続けやすいかどうかも選ぶ際の判断材料になります。

処方薬と市販薬の違い

防風通聖散は市販でも購入できますが、症状や体質によっては医師の判断で処方される医療用漢方薬が適している場合があります。医療用であれば、医師の判断のもと、満量処方や体質に合わせた処方が可能です。これまでは通院が必要でしたが、現在はオンライン診療で自宅にいながら処方を受けることも一般的になっています。

症状の程度が強い場合

肥満症、便秘、むくみなどの症状が強く、市販薬の生薬量では十分な改善が難しい場合、医療用の処方薬を使った方が効果を感じることが多いです。医療用は生薬量が一定で、診察をもとに必要量を判断できる点が特徴です。

複数の症状が重なっている場合

便秘・むくみ・肥満症…といった複数症状を同時に抱えている場合、医師が体質や体調を総合的に判断して処方量を決めます。市販薬では判断が難しい組み合わせでも、医療機関なら調整が可能です。

持病や服用中の薬があり、飲み合わせの確認が必要な場合

防風通聖散には甘草や麻黄など、他の薬と作用が重なりやすい生薬が含まれています。持病（高血圧、心疾患、甲状腺疾患、腎機能の問題など）がある場合、医師による確認が推奨されます。

医療用であれば、主治医が飲み合わせ、副作用のリスク、適正な量を踏まえて使用の可否を判断することができます。

副作用が出やすい体質の人

以前に漢方薬で胃腸症状が出た経験がある、疲れやすい、体力が落ちているなどの場合、市販薬を自己判断で使用すると負担がかかることがあります。

医療機関では、状態に応じて量を調整したり、別の漢方を選ぶといった選択が可能です。

長期で使用する可能性がある場合

防風通聖散を長期間続ける場合、まれに腸の病変などが報告されています。

医師の診察を挟むことで、必要な期間や切り替えのタイミングを適切に判断できます。

市販薬が合っていれば問題なく使えることもありますが、「体質に合っているか」「持病があっても大丈夫か」「量は適切か」などは自分で判断しにくい部分です。

そのため、一定以上の症状がある場合や不安がある場合は、医療機関で相談する選択肢が役立ちます。

オンライン診療で相談するメリット

防風通聖散は、市販でも広く購入できる漢方薬ですが、自己判断で使った場合には注意が必要な点があります。これは、防風通聖散がさまざまな生薬を含む複合処方であり、体質や持病との相性によって作用の出方が大きく変わるためです。

防風通聖散を自己判断で使うリスク

症状の強さに対して生薬量が合わないことがある

市販薬は、一般の人が安全に使えるよう、医療用より成分量が少ないことがあります

そのため、肥満症・便秘・むくみが強い場合には、市販薬では効果が不十分になることもあり、適切な量を判断するには専門家の評価が必要です。

体質に合わない場合、副作用が出やすい

防風通聖散は「実証」の人に向く処方のため、

• 体力が低下している
• 胃腸が弱い
• 汗をかきやすい

といった体質では、下痢、腹痛、動悸、だるさなどの副作用が出ることがあります。

体質を見極めるのは難しく、医師の診察があると安心です。

持病や飲み合わせに注意が必要

防風通聖散には「麻黄」や「甘草」など、ほかの薬と作用が重なる生薬が含まれています。市販薬を自己判断で併用すると、動悸、むくみ、筋力低下などのリスクにつながることがあります。

以上より、自己判断で開始しやすい薬だからこそ、「本当に体質や症状に合っているのか」を医師が確認することには大きな意味があります。

肥満症・むくみ・便秘のオンライン相談が増えている背景

近年、肥満症やむくみ、便秘といった症状について、オンラインで医師に相談するケースが増えています。これらの症状は生活習慣や体質によって大きく左右され、自分で判断しにくい部分があります。また。オンライン診療では事前に症状や薬の情報を検索する必要もなく、専門家に気軽に相談できるため選ばれやすくなっています。

受診のハードルが低く、相談しやすい

肥満症・むくみ・便秘は、生活の中で慢性的に感じやすい症状ですが、

「病院に行くほどではないのでは？」

「忙しくて受診の時間がとれない」

という理由で対面受診をためらう人も多い症状です。

オンライン診療なら、移動や待ち時間がなく、自宅から短時間で相談できます。

人に相談しにくい悩みでも話しやすい

肥満や便秘は、周囲に相談しにくいと感じることもある症状です。

オンライン診療なら、ビデオ通話で対面に近い形式で、プライバシーを守りながら自宅で診察を受けられます。

子育て中・仕事が忙しい人にとってアクセスしやすい

小さな子どもがいる人や、勤務中に外出が難しい人でも、隙間時間で相談できるため、オンライン診療は特に利用しやすい方法として選ばれています。

患者目線のクリニックのオンライン診療で防風通聖散を処方してもらう方法

肥満で悩んでいるけれど「忙しくて通院する時間がない」という方も少なくありません。そんなときに役立つのが患者目線のクリニックのオンライン診療です。仕事で忙しい方でも利用しやすいよう、早朝6時から深夜24時まで、土日祝日を含めて毎日診療を行っています。スマートフォンやパソコンから当日予約をすることで、自宅で医師の診療を受けることができます。必要に応じて防風通聖散の処方も可能です。

まず医師に症状を伝え、発汗の程度や生活への影響を確認してもらいます。クリニックで行われる対面診療と同様に、症状の聞き取りや副作用の確認を丁寧に行います。そのうえで、薬の効果や副作用について説明を受け、処方が決定します。薬は薬局での受け取りだけでなく、自宅に配送してもらえるケースもあり、忙しい方や外出が難しい方にとって便利です。

患者目線のクリニックでは、オンライン診療を通じて防風通聖散を受け取ることができます。以下に、その手順と予約方法をご紹介します。

Webから受診日時を予約

まず、予約フォームからご希望の日時を選択し、オンライン診療の予約を行います。予約は24時間対応しており、当日予約も可能です。

診察前に問診をWebで回答

予約完了後、登録したメールアドレスに問診票が送信されます。診察前にWeb上で問診に回答してください。

診察に必要なアプリをインストール

予約完了メールの案内に従い、オンライン診療に必要なアプリ「M3デジカルスマート診察券（デジスマ診療アプリ）」をスマートフォンにダウンロードし、クレジットカードや保険証の情報を登録します。

予約時間に医師と診察

予約時間になったら、スマートフォンのビデオ通話を通じて医師の診察を受けます。診察前にアプリのホーム画面で「チェックイン」を行ってください。

お薬の処方

診察後、医師が必要と判断した場合、処方箋が発行されます。すぐにお薬が欲しい場合は近くの薬局で最短30分で受け取り、外出を控えたい場合は自宅配送など、都合に合わせて選べます。

お会計

診察後、登録したクレジットカードから診察料や薬代が自動的に引き落とされます。オンライン診療のシステム利用料として、別途1000円がかかります。

診察に必要なもの

スマートフォン、クレジットカード、健康保険証、（お持ちの方）医療証、お薬手帳、検査結果など。詳しくは、患者目線のクリニックオンライン診療をご覧いただき、ご不明点などは問い合わせしてください。

よくあるQ&A

妊娠・授乳中は使える？

妊娠中の使用について

防風通聖散には

• ダイオウ：子宮を収縮させる作用や、骨盤内の血流を高める作用
• 無水ボウショウ：子宮を収縮させる作用

が含まれています。

添付文書の第9項では、「妊婦または妊娠している可能性のある女性には、できるだけ使用しないことが望ましい」とされています。

出典：ツムラ「ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)」https://medical.tsumura.co.jp/products/062/pdf/062-tenbun.pdf

これらの成分によって流産や早産のリスクが高まるおそれがあるため、妊娠中は自己判断で使用せず、医師と相談することが必要です。

授乳中の使用について

授乳中についても、「治療上の有益性と、母乳育児のメリットを比較して、授乳を続けるか・中止するかを慎重に判断すること」と記載されています。

大黄に含まれるアントラキノン誘導体が母乳に移行し、乳児が下痢を起こす可能性があるからです。授乳中に防風通聖散を使う場合は、母乳への影響を考えながら、医師と相談しながら進めることが推奨されます。

出典：ツムラ「ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)」https://medical.tsumura.co.jp/products/062/pdf/062-tenbun.pdf

子供は飲める？

防風通聖散は、大人（15歳以上）を対象に用量が設定されている漢方薬であり、小児向けの服用量は添付文書で定められていません。含まれている大黄や無水芒硝には腸を刺激する作用があり、大人でも下痢や腹痛が出ることがあります。体格が小さく反応が出やすい子どもでは、これらの作用が強く出てしまう可能性があります。

そのため、基本的に子どもへの使用は推奨されていません。子どもの便秘や体重増加などで気になる症状がある場合は、体質や生活習慣を含めて評価できる小児科などの医療機関に相談することが大切です。自己判断で防風通聖散を使うのは避け、必ず医師に確認するようにしましょう。

まとめ

防風通聖散は、肥満症・便秘・むくみなどに使われる漢方薬で、腹部の皮下脂肪が多く、便秘がちな体質の人に適しているとされています。市販薬でも購入しやすい一方で、生薬量や剤形の違いがあり、体質に合わない場合や持病がある場合には副作用が出ることもあります。

妊娠中・授乳中、体力が低下している場合、腎機能に問題がある場合は、添付文書でも注意が必要とされており、子ども向けの用量も設定されていません。自己判断では安全性の見極めが難しい薬でもあります。

不安な点があるときや、症状が続いているときは、医師に相談することで体質や症状に合った使い方ができ、飲み合わせの確認や、副作用リスクへの対応も安心して進められます。『患者目線のクリニック』なら、平日・土日祝日問わず6時から24時まで診療可能です。まずは空き枠を確認し、気軽に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。