荊芥連翹湯とは

どのような体質・症状に使われるか

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、鼻や皮膚が化膿しやすい体質の方に使用される漢方薬です。この漢方は、複数の生薬を組み合わせた伝統的な処方で、体にこもった熱や炎症を鎮め、膿や腫れを改善することを目的としています。

「体力中等度以上で、皮膚の色が浅黒く、ときに手足の裏に脂汗をかきやすく、腹壁が緊張している方」に適するとされています。対象となる主な症状は、蓄膿症(副鼻腔炎)、慢性鼻炎、慢性扁桃炎、にきびなどです。いずれも膿や炎症を伴う慢性症状で、体の熱がこもりやすい方に用いられます。

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出典:ツムラヘルスケア製品情報サイト「ツムラ漢方荊芥連翹湯エキス顆粒」https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/050.html

漢方薬としての考え方

漢方では、異なる症状でも共通する原因があれば同じ治療を行う「異病同治」という考え方があります。鼻の奥と皮膚はいずれも体の「熱」がこもりやすい場所であるため、どちらの不調にも同じ処方が選ばれることがあります。

また、体の中をめぐる「血(けつ)」が不足したり流れが滞ると、栄養や酸素がうまく届かず、炎症が治りにくくなると考えられています。荊芥連翹湯は、こもった熱を冷まし、血のめぐりを整えることで、体の内側から炎症を鎮め、鼻や肌の状態を穏やかに改善していく処方です。

出典:ツムラヘルスケア製品情報サイト「ツムラ漢方荊芥連翹湯エキス顆粒」https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/050.html

具体的にどんな症状に使われる?

鼻の不調に対する効果

荊芥連翹湯は、蓄膿症(副鼻腔炎)や慢性鼻炎、慢性扁桃炎など、鼻やのどの奥で炎症が続きやすい方に処方されます。副鼻腔炎では、鼻の奥に膿がたまり、鼻づまりや頭の重さ、においが感じにくいなどの不快な症状が出やすくなります。この湯を服用することで、体の中の炎症をやわらげ、鼻の通りをやすく保つことが期待されます。慢性的に鼻づまりを繰り返す方や、風邪のあとに症状が長引く方にも検討されることがあります。

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皮膚のトラブルに対する効果

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は皮膚のトラブルにも使われます。炎症を伴う赤にきびや膿をもつにきびなど、化膿をくり返すタイプの肌に向いています。体の中の熱を冷まして炎症を鎮めることで、肌の状態をやすく整え、再発を防ぐことを目指します。皮膚だけでなく、体の内側からもバランスを取ることで、にきびや吹き出物ができにくい状態へ導くのが特徴です。

近年のニキビ治療の専門的な指針(日本皮膚科学会が作成した尋常性ざ瘡ガイドライン2023)でも、炎症を伴う皮疹に対して他の治療が効きにくい場合や、通常の治療が行えないときには、荊芥連翹湯を選択肢の一つとして考慮できるとされています。

出典:ツムラ「ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)添付文書」https://medical.tsumura.co.jp/products/050/pdf/050-tenbun.pdf

日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡・酒さ治療ガイドライン2023」https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/zasou2023.pdf

用法・用量・薬価・成分 ― 使用時に知っておきたいこと

成分と組成

ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)は、1日量7.5g中に4.5gの乾燥エキスを含む漢方薬です。このエキスは17種類の生薬を一定の割合で混合し、抽出して得られたものです。

配合されている生薬は以下の通りです。

オウゴン、オウバク、オウレン、キキョウ、キジツ、ケイガイ(荊芥)、サイコ、サンシシ、ジオウ、シャクヤク、センキュウ、トウキ、ハッカ、ビャクシ、ボウフウ、レンギョウ(連翹)、カンゾウ

これらの生薬が互いに補い合いながら作用しており、添加剤にはステアリン酸マグネシウムと乳糖水和物が使用されています。

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製剤の性状

剤形は顆粒剤で、色は黄褐色、独特の香りとわずかな苦味があります。ツムラ製の識別コードは「ツムラ/50」とされ、顆粒タイプのため水に溶けやすく、服用しやすい形状です。

用法・用量

成人は、1日7.5gを2~3回に分け、食前または食間に服用します。年齢・体重・症状により、医師が適宜調整を行います。食前は食事の30分前、食間は食後2~3時間を指します。

荊芥連翹湯は体質を整えることを目的とした漢方薬であり、継続的な服用によって効果を発揮します。自己判断での増量や中断は避け、医師の指示に従うことが重要です。

出典:ツムラ「ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)添付文書」https://medical.tsumura.co.jp/products/050/pdf/050-tenbun.pdf

薬価と1日あたりの自己負担額

ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)の薬価は1gあたり18.6円です。成人1日量7.5gを服用する場合、薬価換算で約140円/日となります。

健康保険の自己負担が3割の場合、1日あたりの自己負担額は約42円程度です。

ほかの製薬会社の製品では、オースギ荊芥連翹湯エキスG(大杉製薬)が7.7円/g、太虎堂の荊芥連翹湯エキス顆粒(太虎精堂製薬)が15.5円/gとなっており、製剤ごとに価格差があります。

ただし、処方される製品は医療機関の採用薬や患者の体質によって異なるため、実際の負担額は多少前後します。

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出典:Keggデータベース「医療用医薬品:荊芥連翹」https://www.kegg.jp/medicus-bin/similar_product?kegg_drug=D06938

副作用・使用上の注意

使用時の基本的な注意点

荊芥連翹湯は、体質や症状(証)を考慮して処方される漢方薬です。服用しても改善が見られない場合は、自己判断で継続せず、医師に相談してください。

また、この薬には複数の生薬が含まれるため、他の漢方薬や一般薬との併用時には重複成分に注意が必要です。

カンゾウ(甘草)による注意点

荊芥連翹湯にはカンゾウ(甘草)が含まれています。カンゾウは血圧や血清カリウム値に影響することがあり、長期服用では「偽アルドステロン症」や「低カリウム血症」を起こすおそれがあります。これらの副作用により、むくみ、体重増加、筋力低下、けいれんなどの症状が現れることがあります。

芍薬甘草湯、補中益気湯、抑肝散など、カンゾウを含む他の漢方薬との併用や、グリチルリチン酸を含む薬剤との併用は避けるか、医師の監督下で慎重に行う必要があります。

サンシシ(山梔子)による注意点

荊芥連翹湯に含まれるサンシシ(山梔子)は、長期間(5年以上)使用した場合、大腸に色調異常やびらん、潰瘍、狭窄を伴う「腸間膜静脈硬化症」を起こす可能性があります。腹痛、下痢、便秘、腹部膨満、便潜血陽性などの症状が繰り返し見られる場合は、服用を中止して医師の診察を受けてください。長期的に服用する場合は、CT検査や大腸内視鏡検査を定期的に行うことが望ましいとされています。

出典:ツムラ「ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)添付文書」https://medical.tsumura.co.jp/products/050/pdf/050-tenbun.pdf

特定の人への使用上の注意

妊娠中・授乳中の方

妊娠中または妊娠の可能性がある女性には、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみ使用されます。授乳中の方は、母乳栄養の利点と治療の必要性を考慮し、授乳の継続または中止について医師と相談することが推奨されます。

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小児・高齢者

荊芥連翹湯は小児を対象とした臨床試験が行われておらず、安全性や効果について十分なデータがありません。小児に使用する場合は、必ず医師の判断が必要です。

高齢者では体の代謝や排泄機能が低下しているため、薬の影響が出やすくなります。医師の指示に従い、必要に応じて減量や服用間隔の調整が行われます。

重大な副作用

まれではありますが、次のような重い副作用が報告されています。服用中に異常を感じた場合は、すぐに服用を中止し、医療機関を受診してください。

  • 間質性肺炎:咳、息苦しさ、発熱、胸の違和感
  • 偽アルドステロン症:むくみ、体重増加、血圧上昇、低カリウム血症
  • ミオパチー:手足の脱力感、けいれん、しびれ
  • 肝機能障害・黄疸:皮膚や白目の黄ばみ、食欲不振、全身の倦怠感
  • 腸間膜静脈硬化症:腹痛、下痢、便秘、腹部膨満、便潜血陽性など

その他の副作用

頻度は不明ですが、発疹やかゆみなどの過敏症、食欲不振、胃の不快感、吐き気、下痢などの消化器症状が報告されています。これらの症状が強い、または長引く場合は、服用を中止して医師に相談してください。

出典:ツムラ「ツムラ荊芥連翹湯エキス顆粒(医療用)添付文書」https://medical.tsumura.co.jp/products/050/pdf/050-tenbun.pdf

オンライン診療での処方について

荊芥連翹湯をオンラインで相談できる時代へ

荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)は、鼻や皮膚の炎症をやすく整える漢方薬として、クリニックで医師が体質に合わせて処方します。近年では、スマートフォンやパソコンを使ったオンライン診療でも相談・処方を受けることが可能になりました。

通院が難しい方や忙しい方でも、ビデオ通話を通じて医師に症状や経過を伝えることができ、体質に合った漢方薬を提案してもらえます。オンライン診療で処方された薬は、自宅へ郵送されるため、受診から受け取りまでを自宅で完結できる点が特徴です。

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オンライン診療の流れ

患者目線のクリニックでは、オンライン診療を通じて薬を受け取ることができます。以下に、その手順と予約方法をご紹介します。

Webから受診日時を予約

まず、予約フォームからご希望の日時を選択し、オンライン診療の予約を行います。予約は24時間対応しており、当日予約も可能です。

診察前に問診をWebで回答

予約完了後、登録したメールアドレスに問診票が送信されます。診察前にWeb上で問診に回答してください。

診察に必要なアプリをインストール

予約完了メールの案内に従い、オンライン診療に必要なアプリ「M3デジカルスマート診察券」をスマートフォンにダウンロードし、クレジットカードや保険証の情報を登録します。

予約時間に医師と診察

予約時間になったら、スマートフォンのビデオ通話を通じて医師の診察を受けます。診察前にアプリのホーム画面で「チェックイン」を行ってください。

お薬の処方

診察後、医師が必要と判断した場合、処方箋が発行されます。薬の受け取り方法は以下の2つから選択できます。

  • 配送:薬を自宅へ配送してもらう方法です。
  • 薬局での受け取り:ご希望の薬局で対面で受け取る方法です。

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お会計

診察後、登録したクレジットカードから診察料や薬代が自動的に引き落とされます。オンライン診療のシステム利用料として、別途1000円がかかります。

診察に必要なもの

スマートフォン、クレジットカード、健康保険証、(お持ちの方)医療証、お薬手帳、検査結果など。詳しくは、患者目線のクリニック オンライン診療をご覧いただき、ご不明点などはお問い合わせしてください。

まとめ

荊芥連翹湯は、鼻づまりやにきびなど、炎症や膿をくり返しやすい方に使われる漢方薬です。荊芥や連翹をはじめとした生薬が、体の中から炎症を整え、症状を穏やかに和らげていきます。

最近では、オンライン診療でも医師に相談しながら処方を受けられるようになっています。通院が難しい方でも、自宅から体質や症状を丁寧に相談でき、安心して治療を続けることができます。

鼻や肌の不調が続くときは、体の中から整える「荊芥連翹湯」という選択肢を、オンライン診療で気軽に相談してみるのもよいでしょう。

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オンライン診療について

オンライン診療と対面診療の違い

オンライン診療と対面診療の比較表

専用アプリをダウンロードしたスマホやタブレットを使い、好きな場所で受診することが可能です。処方薬はご自宅へ配送します。

オンライン診療の流れ

webから受信日時を予約

webから受信日時を予約

予約フォームからご希望の日時を選択してご予約ください。

診察前に問診をWebで回答

診察前に問診をWebで回答

予約登録時のメールアドレスへ送信される問診に回答してください。

診察に必要なアプリをインストール

診察に必要なアプリをインストール

予約完了メールの案内に沿ってアプリをダウンロードのうえ、クレジットカードや保険証などを登録してください。

予約時間に医師と診察

予約時間に医師と診察

予約時間になったら、スマホのビデオ通話で診察します。
※予約時間前までにアプリホーム画面で「チェックイン」が必要です。

お薬の処方

お薬の処方

「配送」または「ご希望の薬局で対面での受け取り」のどちらかを選択できます。

お会計

お会計

登録したクレジットカードより診察後にお引き落としさせていただきます。

診察に必要なもの

  • 診察時に必要なM3デジカルスマート診察券をインストールしたスマホ
  • クレジットカード
  • 健康保険証
  • (お持ちの方) 医療証、お薬手帳、検査結果など

料金

通常の対面診療時と大きく変わりません。

(例)3割負担の場合の料金

(診察内容によって料金は異なります)

初診

1,000円前後

再診

500円前後

※オンライン診療のシステム利用料として、別途1,000円をいただきます。

※医療証も利用可能です。(東京都以外は各自治体で後日精算が必要)

夜間・早朝等加算について

診療報酬点数の算定基準に基づき、

下記の時間帯に診療を受けられる方に関して初診料及び再診料に加えて、

夜間早朝等加算をいただいております。

平日 6~8時・18:00~22時 / 土曜日 6~8時・18:00~22時 /

日曜日・祝日 6~22時

3割負担の方は150円、1割負担の方は50円多くいただくことになります。

上記時間帯を指定して予約を取られた方も加算の対象となりますので、あらかじめご承ください。

自己負担額

・1割負担の方 50円

・2割負担の方 100円

・3割負担の方 150円

ご利用者様の声

30代 女性

通院だと予約しても待ち時間が非常に長く億劫でしたが、今回のオンライン診療は待ち時間が全くありませんでした。また、薬(処方箋取得)目的のためだけに時間を割いて病院に行くのは面倒でしたが、その負担も軽減されました。

50代 男性

仕事を休んで病院へ行く事がなかなかできないので、好きな場所でスキマ時間に受診できるオンライン診療は本当に助かります。

40代 女性

とても丁寧でオンラインなのに本当に良く診ていただき、話もゆっくり聞いていただきました。普通のクリニックにはいけないです!

10代 男性

土日に診察してもらえるので、とても助かりました。体調が悪い時に病院で長い待ち時間がなく、家で過ごせるのでとても良いと思います。

一般オンライン診療

内科

風邪|咳|のどの痛み|片頭痛(偏頭痛)|花粉症・アレルギー性鼻炎|高血圧|痛風(高尿酸血症)|糖尿病|脂質異常症|生活習慣病|胃痛|逆流性食道炎|便秘|新型コロナウイルス感染症・後遺症 など

呼吸器内科

長引く咳|喘息|COPD など

皮膚科

湿疹|かゆみ|乾燥肌|発疹|皮膚炎|蕁麻疹|ニキビ・吹き出物|ヘルペス|アトピー|多汗症|あせも|汗疱|乾癬|帯状疱疹|口内炎|虫刺され|水虫(検査済みの方)|円形脱毛症(AGA除く)など

アレルギー科

蕁麻疹|喘息|鼻炎|結膜炎|目の充血|花粉症 など

泌尿器科

尿漏れ|頻尿|排尿困難|蛋白尿|尿糖|腎盂腎炎|膀胱炎|前立腺炎|尿路結石 など

頭痛外来

片頭痛(偏頭痛)|緊張型頭痛|ストレスによる慢性頭痛 など

心療内科

ストレスに伴う身体症状(食欲不振、下痢、倦怠感) など

睡眠外来

不眠 など

小児科

風邪|鼻炎|便秘|下痢|発疹|アトピー など

※治療・処方に対して検査が必要になる場合は対面診療をお願いすることがあります。

※以下のような診断書類は心療内科・睡眠外来では発行していません。

傷病手当金支給申請書|休職・復職・病状説明のための診断書|自立支援医療に係る医師の診断書(重度かつ継続に関する意見書含む)|精神障害者福祉手帳に係る医師の診断書|猟銃・美容師などの資格取得書類 など

クリニック紹介

クリニックの地図

溝尾 朗(院長)

  • 千葉大学医学部 卒業
  • 資格:医師、日本内科学会認定総合内科専門医、日医認定産業医

白月 遼(代表理事)

  • 旭川医科大学 卒業
  • 資格:医師、日本外科学会専門医、日本小児学会専門医、がん治療認定医、日医認定産業医

東京 虎ノ門・新橋で対面診療も受診可能

詳しくはこちら
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よくある質問

Q オンライン診療に必要なものは何ですか?
A

ビデオ通話ができるスマホ、保険証、クレジットカードがあれば、保険でのオンライン診療を受けることができます。

Q 自分の症状でオンライン診療を受けられますか?
A

診療内容のセクションに記載されている症状であれば、オンライン診療で対応可能です。ご不明な場合はお気軽にお問い合わせください。

Q 来院は不要ですか?
A

オンライン診療では来院の必要はありません。ご自宅など、お好きな場所から受診いただけます。

Q 対面診療(外来)より高くなりますか?
A

通常の対面診療時と大きく変わりません。システム利用料として別途1,000円をいただきます。

Q 薬の受け取りは、どうするのですか?
A

処方薬はご自宅に配送されます。最短で翌日にお届けします。配送料は別途かかります。

本記事は一般的情報の提供を目的とし、個別の診断・治療を指示するものではありません。診断・処方・診断書等の可否は医師が判断します。 内容は公開時点の情報で、法令・保険・料金・取扱いは変更されることがあります。緊急症状時は119等へ。 外部サイトの内容は保証いたしません。法令上の責任が認められる場合を除き、当院は本記事に基づく損害につき責任を負いません。