処方薬「芍薬甘草湯」とは？漢方の効果・副作用を解説

芍薬甘草湯とは？

「夜中に突然足がつる」「運動中にふくらはぎがけいれんする」
そんな症状に対して、医師がまず処方を検討する代表的な漢方薬が「芍薬甘草湯（しゃくやくかんぞうとう）」です。

芍薬甘草湯は、筋肉のけいれんによる痛みを速やかにやわらげる目的で用いられる漢方薬で、こむら返りや腹痛、腰痛、月経痛など、急に生じる“つり”や“けいれん性の痛み”に幅広く適応があります（参考※1）。

本記事では、芍薬甘草湯の効果・副作用・服用方法から薬価、さらにオンライン診療での処方までを、医師の視点で詳しく解説します。

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※1 参考：添付文書・薬剤情報「ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒（医療用）」https://medical.tsumura.co.jp/products/068/pdf/068-tenbun.pdf

芍薬甘草湯の効果・効能

芍薬甘草湯は、急に起こる筋肉のけいれんや痛みをやわらげる目的で使われます。
具体的に効果のある代表的な症状として、以下のようなものがあります。

• 夜間のこむら返り
• 運動中の筋けいれん
• 腹部や腰部のつり
• 月経痛

芍薬甘草湯は、体力や年齢を問わず使える点も特徴です。

東洋医学的には「陰陽のバランスが崩れて、筋がひきつる状態」に対して使われ、筋肉の緊張をゆるめ、血流を改善して痛みを鎮めます（出典※2）。

実際の臨床現場でも、服用後まもなく（10〜30分ほどで）症状が和らぐケースが少なくありません。

※2 出典：漢方ナビ「芍薬甘草湯」
https://www.kamponavi.com/med/1015

芍薬甘草湯の構成生薬

芍薬甘草湯は、「芍薬」と「甘草」の2つの生薬から成る非常にシンプルな漢方薬です（出典※3）。

芍薬（シャクヤク）は、鎮けいれん・鎮痛作用を持ち、筋肉の過度な緊張をゆるめて血流を改善します。
甘草（カンゾウ）は、抗炎症・鎮痛作用に加え、体内の電解質バランスを整え、他の生薬の働きを補強します。

両者は「相須（そうす）」の関係にあり、互いの作用を高め合うことで、筋肉のけいれんに即効的に作用します（参考※3）。

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※3 参考：漢方ナビ「芍薬甘草湯」
https://www.kamponavi.com/med/1015

適応と使い方のポイント

芍薬甘草湯は、筋けいれんを伴うあらゆる急性症状に使用できます。
代表的なのは以下のようなケースです（参考※4）。

• 夜間のこむら返り
• 四肢や腰部のけいれん
• 月経痛、腹痛、背部痛
• 透析中の筋けいれん　など

臨床現場でも、こむら返りに対して第一選択として用いられることが多い薬です。

ただし、慢性的な筋肉痛やしびれなど、けいれん以外の原因による痛みには効果が限定的なため、医師の診断に基づいて使い分けることが大切です。

※4 参考：漢方ナビ「芍薬甘草湯」
https://www.kamponavi.com/med/1015

用法・用量と服用のタイミング

ツムラ医療用芍薬甘草湯エキス顆粒は、成人で1日7.5g（1回2.5gを1日3回）、食前または食間に水または白湯で服用します。

_「急激に起こる筋けいれんに対しては、症状出現時に頓服的に使用してもよい」_とされています（引用※5）。

※5 引用：ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒（医療用）」
https://image.packageinsert.jp/pdf.php?mode=1&yjcode=5200067D1049

空腹時の服用で吸収が良く、効果が出やすくなります。
就寝前に服用する場合は体を温めて休むとより効果的で、夜間のこむら返りを防ぎやすくなります。

脱水傾向があると筋けいれんが起きやすくなるため、水分・電解質の補給も心がけましょう。

副作用と注意点

芍薬甘草湯は比較的安全性の高い薬ですが、甘草の成分による副作用に注意が必要です。

長期間の服用や他の甘草含有薬（葛根湯、小青竜湯、補中益気湯など）との併用により、
偽性アルドステロン症（低カリウム血症、むくみ、血圧上昇）が起こることがあります（出典※6）。漢方薬を複数服用する場合は、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

心疾患・腎疾患・高血圧のある方は特に注意が必要で、定期的な血液検査が推奨されます。

まれに発疹・かゆみなどの過敏症や肝機能異常、さらに重大な副作用として間質性肺炎が報告されています。
服用中に発熱・咳・呼吸困難などの症状が見られた場合は、速やかに服用を中止し医師に相談してください。

妊娠中や授乳中は安全性データが十分でないため、医師が有益性を判断したうえで投与されます。必ず医師に相談しましょう。

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※6 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/068/pdf/068-tenbun.pdf

芍薬甘草湯の薬価

病院やクリニックで処方される医療用の芍薬甘草湯は、保険適用時には3割負担で5〜7日分でも数百円程度です。
（薬価や実費はメーカー・年度により異なります）

芍薬甘草湯を入手するには？｜オンライン診療の活用も可能

芍薬甘草湯は、医療機関での処方のほか、一般用医薬品（OTC）としてドラッグストアでも販売されています。
ただし、似た症状を起こす病気（電解質異常や末梢神経障害など）もあるため、自己判断での使用は避けましょう。

最近はオンライン診療でも芍薬甘草湯の処方に対応するクリニックが増えています。
「患者目線のクリニック」でもオンラインで処方可能で、予約・診察・決済・薬の配送まで自宅で完結します。
薬は宅配または最寄り薬局での受け取りが可能で、服薬指導もオンラインで完結します。
夜間のこむら返りなど、急な症状にも柔軟に対応できる点が魅力です。

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よくある質問（Q&A）

Q：どんなときに使うの？

こむら返りや筋けいれん、腹痛、月経痛など、急な筋肉のつりに効果的です（参考※7）。

Q：どのくらいで効くの？

個人差はありますが、経験則上は早い方だと服用後10〜30分で症状が軽くなることがあり、頓服でも効果が期待できます。

Q：市販薬や他の漢方と併用しても大丈夫？

甘草を含む薬（葛根湯、小青竜湯、総合感冒薬など）と併用すると、低カリウム血症や浮腫が起こる場合があります。
芍薬甘草湯に限らず、漢方薬を複数服用する際は、医師や薬剤師に相談しましょう。

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Q：妊娠中でも使える？

妊婦または授乳中の方は、医師が必要と判断した場合のみ使用されます（出典※8）。自己判断は避け、必ず医師に相談しましょう。

※7 参考：漢方ナビ「芍薬甘草湯」
https://www.kamponavi.com/med/1015

※8 参考：ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ芍薬甘草湯エキス顆粒（医療用）」
https://image.packageinsert.jp/pdf.php?mode=1&yjcode=5200067D1049

まとめ

芍薬甘草湯は、こむら返りや筋けいれんなど、急な痛みを伴う症状に即効性を発揮する漢方薬です。

2つの生薬、「芍薬」と「甘草」が相乗的に働き、筋肉の緊張をゆるめ、痛みを和らげます。

臨床現場でもよく使われている一方で、甘草の成分による偽性アルドステロン症には注意が必要です。また、稀ではありますが間質性肺炎などの重大な副作用も報告されています。
長期間服用する場合や、他の甘草含有薬を併用する場合は、定期的に医師の診察を受けると安心です。

また、こむら返りの背景には脱水や電解質異常、糖尿病性神経障害などが隠れていることもあるため、症状を繰り返す場合は医師の診察を受けましょう。

近年はオンライン診療でも処方が可能で、「患者目線のクリニック」をはじめ、通院が難しい方でもスマートフォンひとつで診察から薬の受け取りまで完結できます。

医師による説明を受けながら、自分に合った治療を続けられる時代です。
芍薬甘草湯は、正しいタイミングと使い方を守れば、夜中の足のつりや運動後のけいれんを防ぐ心強い味方になります。

無理をせず、体のサインを感じたら、早めに医師に相談していきましょう。

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