竹筎温胆湯は市販で買える？効果や副作用、飲み方、処方薬との違いを医師が解説

竹筎温胆湯とは

「風邪は治ったはずなのに、微熱がすっきり引かない」

「咳や痰が残っていて、夜になると眠りが浅い」

「体は回復してきたのに、なぜか落ち着かず、ぼんやりする」

こうした感染症の回復期に残る不調が続いているときに、選択肢に挙がる漢方薬が竹筎温胆湯（ちくじょおんたんとう）です。

竹筎温胆湯は、かぜ・インフルエンザ・肺炎などの回復期に、熱や咳、痰、不眠、落ち着かなさが長引く状態で用いられる漢方薬で（参考※1）、体内に残った「熱」や「痰」を整えながら、気の巡りと睡眠の質を調える方向性で設計されています。

特に、

• 解熱後も微熱が続く
• 夜になると咳や痰が気になって眠れない
• 病後なのに頭が冴えず、そわそわする

といった、いわゆる「治りきらない回復期症状」に対して処方されることの多い漢方薬です。

この記事では、竹筎温胆湯の効果や使われる場面、体質との相性、構成生薬、副作用・注意点、飲み方、オンライン診療での処方について、医師の視点で整理します。

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※1 参考：医薬品インタビューフォーム「ツムラ竹筎温胆湯エキス顆粒（医療用）」

https://medical.tsumura.co.jp/products/091/pdf/091-if.pdf

竹筎温胆湯の効果

竹筎温胆湯が向くのは、感染症の回復期に、症状が切れずに残っている状態です。

解熱しているにもかかわらず微熱が続いたり、咳や痰がなかなか抜けない、夜になると眠りが浅くなるなど、回復の途中で足踏みしているような経過と相性のよい漢方薬です。

• 特に、かぜ・インフルエンザ・肺炎などの回復期に、
• 微熱が続く
• 咳や痰が残る
• 体調は戻りつつあるが、すっきりしない

といった状態が続く場合に検討されることがあります（出典※2）。

臨床現場では、

• 感染症のピークは越えたが微熱が取れない
• 咳や痰が長引き、夜間に症状が気になる
• 回復期なのに眠りが浅く、休んだ感じがしない

といった経過で処方されることが多く、病後に症状が切り替わらず残っているタイプに向きます。

ただし、回復期の微熱や咳が長引く場合でも、他の感染症や合併症が背景にあることもあるため、経過や症状に応じて検査や鑑別を行った上で判断します。

※2 出典：医薬品インタビューフォーム「ツムラ竹筎温胆湯エキス顆粒（医療用）」

https://medical.tsumura.co.jp/products/091/pdf/091-if.pdf

竹筎温胆湯の構成生薬

竹筎温胆湯は、複数の生薬を組み合わせ、感染症の回復期に体内に残った熱や痰、咳が切れずに続く状態を調えることを目的として構成された漢方薬です（出典※3）。

中心となるのは、半夏、竹筎、柴胡、麦門冬、茯苓、陳皮、枳実、桔梗、香附子、黄連、人参、甘草、生姜といった生薬の組み合わせで、呼吸器症状と全身状態の両面に配慮した処方設計となっています。

この処方では、生薬ごとに以下のような役割分担が意識されています。

• 半夏・陳皮・茯苓・枳実は、痰や分泌物が残りやすい状態に働きかけ、咳や胸のつかえ感が続く経過を整える方向に寄与します。
• 竹筎・黄連は、回復期に引ききらない熱感や微熱に対応し、体内に残った熱を穏やかに調える役割を担います。
• 麦門冬・桔梗は、のどや気道の乾燥感を伴う咳や違和感に配慮した生薬構成です。
• 柴胡・香附子は、回復期に自律神経の乱れが重なりやすい状態で、気の巡りを調える方向に働きます。
• 人参・甘草・生姜は、回復途中で消耗した身体を支え、全体のバランスを整える役割を果たします。

竹筎温胆湯は、飲んですぐに症状を抑え込む処方というよりも、感染症のピークを越えたあとに残る症状が、自然に切り替わっていくのを後押しする漢方薬といえます。

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※3 出典：医薬品インタビューフォーム「ツムラ竹筎温胆湯エキス顆粒（医療用）」https://medical.tsumura.co.jp/products/091/pdf/091-if.pdf

竹筎温胆湯が向いている人

竹筎温胆湯が向いているのは、感染症の回復期に入っているにもかかわらず、症状がすっきり切り替わらないタイプの方です（出典※4、参考※5）。

具体的には、熱は下がっているものの微熱が続く、咳や痰がなかなか抜けない、夜になると症状が気になって眠りが浅い、といった状態が続いている場合に検討されることがあります。

体力は少しずつ戻ってきているものの、「治ってきている実感が乏しい」「休んでも回復した感じがしない」と感じている方と相性がよい漢方薬です。

また、病後に頭が冴えず落ち着かない感じが残ったり、夜間に咳や違和感で目が覚めやすいなど、回復期に自律神経のバランスが崩れているような経過でも用いられることがあります。

竹筎温胆湯は、単に体力を補うことを目的とするのではなく、回復途中で引っかかっている症状を整え、次の段階へ切り替えていくことを意識した漢方薬です。

そのため、判断のポイントは「強い疲労感があるかどうか」よりも、回復期に症状が残っているかどうかにあります。

※4 出典：医薬品インタビューフォーム「ツムラ竹筎温胆湯エキス顆粒（医療用）」

https://medical.tsumura.co.jp/products/091/pdf/091-if.pdf

※5 参考：名城大学特設サイト「第104回 漢方処方解説（56）竹筎温胆湯」

https://www.meijo-u.ac.jp/sp/harbal_medicine/2023/104.html

飲み方・服用のタイミング

医療用のツムラ竹筎温胆湯エキス顆粒では、通常、成人で1日7.5gを1日2〜3回に分けて、食前または食間に服用します（出典※6）。

漢方薬は基本的に空腹時の方が吸収が安定しやすく、竹筎温胆湯もその考え方に沿って使用されます。

食前は食事の30分〜1時間前、食間は食後2〜3時間後を指します。

咳や痰、のどの違和感が残っている回復期では、胃腸の調子が万全でないこともあるため、ぬるま湯に溶かしてゆっくり服用すると負担が軽くなる場合があります。

竹筎温胆湯は、解熱剤のようにすぐ症状を抑える薬ではなく、感染症のピークを越えたあとに残る症状が切り替わっていくのを後押しする処方です。

そのため、「飲んですぐ楽になる」というよりも、数日かけて咳や微熱、夜間の不調が徐々に落ち着いてくる経過をたどることが多い漢方薬です。

症状が残っているからといって量を増やしたり、逆に自己判断で中断すると効果が安定しにくくなることがあります。

服用期間やタイミングについては、医師と相談しながら調整することをおすすめします。

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※6 出典：添付文書「ツムラ竹筎温胆湯エキス顆粒（医療用）」

https://medical.tsumura.co.jp/products/091/pdf/091-tenbun.pdf

副作用・注意点

竹筎温胆湯は比較的使いやすい漢方薬ですが、甘草を含む処方であるため、偽アルドステロン症には注意が必要です。まれに、むくみ、体重増加、倦怠感、手足の脱力、血圧上昇、低カリウム血症などが現れることがあります（出典※7）。

また、体質や体調によっては、胃部不快感、食欲低下、軟便、腹部膨満感といった消化器症状がみられることがあります（出典※7）。

特に回復期で胃腸の調子がまだ安定していない場合には、症状の変化に注意しながら服用します。

その他に、竹筎温胆湯には黄連が含まれており、体内の熱を調える方向性の処方である一方、体力が極端に低下している場合や、冷えが強い体質では合わないことがあります（出典※7）。

服用中に体調の違和感が出た場合には、自己判断で続けず医師に相談することが大切です。

また、高血圧、心疾患、腎機能障害がある方や、他の甘草含有薬（漢方薬や一部の胃薬など）を併用している場合には、電解質異常のリスクを踏まえた経過観察が必要となります。

既往歴や併用薬については、必ず医師・薬剤師に伝えた上で使用してください。

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※7 出典：添付文書「ツムラ竹筎温胆湯エキス顆粒（医療用）」

https://medical.tsumura.co.jp/products/091/pdf/091-tenbun.pdf

竹筎温胆湯を入手するには？｜オンライン診療・患者目線のクリニックでも処方可能

竹筎温胆湯は、医療機関で医療用漢方薬として処方できるほか、一般のドラッグストアでも市販薬を購入することは可能です。

ただし、市販薬と医療用では成分量が異なることもあり効果を安定して得るためには医療機関での処方が望ましいケースがあります。

竹筎温胆湯が検討されるような、

感染症の回復期に微熱や咳、痰、不眠といった症状が長引く状態では、

「様子見で自然に治るだろう」と放置されやすい一方で、別の感染症や合併症、体調バランスの乱れが隠れていることもあります。

症状が数日〜1週間以上続いている場合や、夜間の睡眠や日常生活に支障が出ている場合には、市販薬だけで対応するよりも、一度医師に相談し、状態を整理した上で漢方薬を選択する方が安心です。

『患者目線のクリニック』では、感染症の回復期に微熱や咳、痰、不眠といった症状が長引く場合など、竹筎温胆湯が検討される状態についても相談が可能です。

「風邪は治ったはずなのにすっきりしない」「夜になると咳や違和感で眠りが浅い」といった、病後に残る不調について、漢方外来の視点から丁寧に対応しています。

年間診療件数は10万件以上と実績も豊富で、年中無休、早朝6時から深夜24時まで診察を受け付けているため、仕事の前後や夜間、休日など、自分の生活リズムに合わせて受診しやすい体制が整っています。

全国どこからでも受診可能で、予約から診察、決済、薬の受け取りまでをオンラインで完結できます。

処方された漢方薬は自宅配送のほか、当日にいつもの薬局で受け取ることも可能です。

回復期の症状は「もう少し様子を見よう」と我慢されがちですが、長引く場合には早めに相談することで、体調の切り替えがスムーズになることもあります。

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竹筎温胆湯の市販薬｜代表的な製品と特徴

竹筎温胆湯を市販で試したい場合、ドラッグストアなどで購入できる漢方薬があります。

感染症の回復期に、微熱や咳、痰、不眠といった症状がすっきり切り替わらないときに、まずはセルフケアとして検討されることの多い市販薬です。

クラシエ「竹筎温胆湯エキス顆粒」

クラシエの「竹筎温胆湯エキス顆粒」は、第2類医薬品の顆粒タイプの漢方薬です。

服用しやすい顆粒製剤で、通常は1日数回、食前または食間に服用する設計となっており、日常生活の中でも取り入れやすいのが特徴です。

感染症の回復期に、

・熱は下がったが微熱が続く

・咳や痰が長引いている

・夜間に症状が気になり、眠りが浅い

といった状態を想定した処方で、回復途中で症状が切り替わらず残っているケースに向いています。

顆粒タイプのため、錠剤が苦手な方や、漢方薬を溶かして飲みたい方にも使いやすく、比較的始めやすい市販薬といえます。

出典：クラシエ 「「クラシエ」竹筎温胆湯エキス顆粒」

https://www.kracie.co.jp/products/ph/10007058_2220.html

よくある質問（Q&A）

Q：どのくらいで効果を感じますか？

個人差はありますが、数日〜1週間ほどで、微熱や咳、夜間の不調が少しずつ落ち着いてくると感じる方が多い印象です。

竹筎温胆湯は、解熱剤や鎮咳薬のように即座に症状を抑える薬ではなく、回復期に残った症状が切り替わっていくのを後押しする漢方薬のため、1〜2週間ほどかけて徐々に変化を実感するケースが一般的です。

症状の程度によっては、医師の判断のもとで一定期間継続して使用することもあります。

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Q：他の薬や漢方と併用できますか？

併用できる場合もありますが、注意が必要です。

竹筎温胆湯には甘草が含まれているため、他の甘草含有薬や一部の漢方薬、市販の総合感冒薬などと併用すると、偽アルドステロン症（むくみ、脱力感、低カリウム血症など）のリスクが高まることがあります。現在服用している薬がある場合は、市販薬も含めて、必ず医師または薬剤師に相談してください。

Q：妊娠中や授乳中でも使えますか？

妊娠中や授乳中の使用については、母体・胎児・乳児への影響を考慮し、有益性がリスクを上回ると判断される場合に限り、慎重に使用されます（出典※8）。

自己判断での服用開始や、市販薬の併用は避け、必ず医師に相談しましょう。

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※8 出典：添付文書「ツムラ竹筎温胆湯エキス顆粒（医療用）」

https://medical.tsumura.co.jp/products/091/pdf/091-tenbun.pdf

まとめ

竹筎温胆湯は、かぜやインフルエンザ、肺炎などの感染症の回復期に、微熱や咳、痰、不眠といった症状がすっきり切り替わらない状態に用いられる漢方薬です。

熱は下がっているのに体調が整わない、夜になると症状が気になって眠りが浅い、といった「治りきらない感覚」が続く時期と相性のよい処方といえます。

効果は即効性というよりも、回復途中で引っかかっている症状を整え、次の段階へ切り替えていくイメージで、数日から1〜2週間ほどかけて、少しずつ変化を実感するケースが多い漢方薬です。

もし、

• 微熱や咳が長引いている
• 痰やのどの違和感が残っている
• 夜間に症状が気になり眠りが浅い
• 風邪が治ってきているはずなのに、すっきりしない

といった状態が続いている場合は、市販薬だけで様子を見るのではなく、一度医療機関へ相談することをおすすめします。

回復期の症状と思われていても、別の感染症や合併症、体調バランスの乱れが背景にあることもあるためです。

オンライン診療を活用すれば、外来に行く時間が取りにくい場合でも、自宅や職場から相談でき、診察から処方、薬の受け取りまでを無理なく進めることが可能です。

体調が万全でない時こそ、治療を先延ばしにしない選択肢として活用できます。

「もう治っているはずなのに、どこか引っかかる」

そんな回復期の不調が続くとき、竹筎温胆湯は体調を切り替えるきっかけとして検討する価値のある漢方薬です。

『患者目線のクリニック』のオンライン診療は、対面診察と大きく変わらない料金体系で利用でき（※別途システム利用料1,000円）、当日の予約枠が空いていることもあります。

忙しい方や通院が難しい方は、スキマ時間での相談を検討してみてください。

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