大柴胡湯の処方について｜効果・副作用・飲み方を医師が解説

大柴胡湯とは

「胸やみぞおちが張って、便が出にくい」
「ストレスがかかるとお腹が重くなる」

そんなときに多くの医師がまず思い浮かべるのが、大柴胡湯（だいさいことう）です。

大柴胡湯は、体の中にこもった熱や気の滞りを整え、胃腸の働きを助ける代表的な漢方薬です。
特に「胸や脇の張り」「便秘」「イライラ」「肩こり」など、気と熱が高ぶりやすい体質に適しています（参考※1）。

この記事では、大柴胡湯の効果・構成生薬・副作用・服用方法から、オンライン診療での処方までを、医師の視点で詳しく解説します。

【自宅からスマホ1台】オンライン診療の詳細を見る

※1 参考：クラシエ「大柴胡湯（だいさいことう）の効果とは？」
https://www.kracie.co.jp/ph/coccoapo/magazine/23.html

大柴胡湯の効果

大柴胡湯は、体内にこもった熱を冷まし、気の流れを良くして、自律神経や消化機能を整えます。
東洋医学的には「少陽病期」に用いられ、体の内外バランスが崩れた状態、すなわちストレスで内臓機能が不安定なときに効果を発揮します（出典※2）。

胸のつかえ、便秘、肩こり、怒りっぽさ、頭痛などを改善するとされ、消化器・肝胆系の症状にも応用されます（参考※3）。
また、胆汁分泌促進や脂質代謝改善の作用があり、脂肪肝や肥満体質にも効果が期待されます。

ストレスによる過食や便秘が続くときに用いられることも多く、現代人の「ストレス＋生活習慣不調」に適した処方です（参考※3）。

※2 ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ大柴胡湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/008/pdf/008-if.pdf

※3 参考：クラシエ「大柴胡湯（だいさいことう）の効果とは？」
https://www.kracie.co.jp/ph/coccoapo/magazine/23.html

大柴胡湯の構成生薬と作用

大柴胡湯は、次の8種類の生薬で構成されています（出典※4）。

• 柴胡（サイコ）
• 黄芩（オウゴン）
• 半夏（ハンゲ）
• 大棗（タイソウ）
• 生姜（ショウキョウ）
• 芍薬（シャクヤク）
• 枳実（キジツ）
• 大黄（ダイオウ）

柴胡と黄芩が体内の熱を冷まし、枳実と大黄が腸の動きを促して便通を改善します。
芍薬と大棗は筋肉の緊張を和らげ、生姜と半夏が胃腸機能を整える役割を果たします。

これらが組み合わさることで、「気の滞り」「熱」「便秘」という3つの要素を同時に整えるのが大柴胡湯の特徴です。

【待ち時間が少ない】オンライン診療の詳細を見る

※4 出典：ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ大柴胡湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/008/pdf/008-if.pdf

大柴胡湯が向いている人・使い分けのポイント

大柴胡湯は、体力があり、便秘がちで、イライラや肩こりを伴う人に向いています。
目安となる症状は次のとおりです。

• 胸や脇の張り、みぞおちのつかえ感
• 怒りっぽい、緊張しやすい
• 便秘がち、硬い便が出る
• 肩こり・頭痛を伴う
• 顔が赤く、上半身に熱感がある

一方、体が冷えやすく体力がない人には適しません。
同じ柴胡系の小柴胡湯が虚証向けなのに対し、大柴胡湯は「実証」タイプに使われます。
特に「怒るとお腹が張る」「便秘すると頭が痛い」ような人に適しています（参考※5）。

※5 クラシエ「大柴胡湯（だいさいことう）の効果とは？」
https://www.kracie.co.jp/ph/coccoapo/magazine/23.html

用法・用量と飲み方

ツムラ大柴胡湯エキス顆粒（医療用）は、成人では1日7.5g（1回2.5gを1日3回）、食前または食間に服用します（出典※6）。

空腹時に服用すると吸収が良く、気の巡りと便通の改善効果が高まります。
胃のつかえや便秘が強い場合は、服用後に白湯を飲むと作用が穏やかに現れます（参考※7）。

※6 出典：添付文書「ツムラ大柴胡湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/008/pdf/008-tenbun.pdf

※7 巣鴨千石皮ふ科「漢方薬8『大柴胡湯』」https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/daisaikoto.htm

副作用と注意点

報告されている主な副作用は、発疹やかゆみなどの過敏症、下痢、腹痛、食欲不振などです。

まれに重大な副作用として、間質性肺炎、肝機能障害、黄疸が報告されています（出典※8）。
服用中に発熱、咳、呼吸困難などの症状が見られた場合は、直ちに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。

また、大黄（ダイオウ）による下痢や腹痛、柴胡（サイコ）による肝機能異常、
さらに甘草を含む他の漢方薬との併用による低カリウム血症や偽アルドステロン症にも注意が必要です。

漫然とした長期服用は避け、継続する場合は医療機関で定期的に血液検査を行いましょう。

【スキマ時間で受診】オンライン診療の詳細を見る

※8 出典：添付文書「ツムラ大柴胡湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/008/pdf/008-tenbun.pdf

大柴胡湯の薬価

病院やクリニックで処方される医療用の大柴胡湯は、保険適用時には3割負担で5〜7日分でも数百円程度です。
（薬価や実費はメーカー・年度により異なります）

大柴胡湯を入手するには？｜オンライン診療でも処方可能

大柴胡湯は医療機関で処方される医療用医薬品のほか、一般用医薬品（OTC）としても販売されています。
ただし、胃潰瘍や胆石症など似た症状を呈する疾患もあるため、自己判断での長期服用は避けましょう。

近年ではオンライン診療を導入するクリニックが増えており、通院が難しい方でも自宅から診察・処方が可能です。

たとえば「患者目線のクリニック」では、大柴胡湯をオンラインで処方しており、予約から診察・決済・薬の配送までを自宅で完結できます。
薬は自宅配送のほか、最寄り薬局で受け取ることも可能です。

【24時まで診療】オンライン診療の詳細を見る

よくある質問（Q&A）

Q：どんな人に向いていますか？

体力があり、便秘や肩こり、イライラなどを伴う人に適しています（参考※9）。

Q：どのくらいで効果が出ますか？

個人差はありますが、経験則上は早い方だと服用後1～2週間ほどで便通や胃のつかえ感の軽減を感じる方もいらっしゃいます。

【自宅からスマホ1台】オンライン診療の詳細を見る

Q：他の薬と一緒に飲んでも大丈夫？

他の薬や漢方薬にも同じ成分含まれている場合があり、併用すると副作用が強まることがあります。必ず医師・薬剤師に相談してください。

Q：妊娠中でも服用できますか？

妊娠中・授乳中の使用は原則避けるべきであり、有益性が危険性を上回る場合に限って使用されます（出典※10）。医師に必ず相談しましょう。

※9 参考：クラシエ「大柴胡湯（だいさいことう）の効果とは？」
https://www.kracie.co.jp/ph/coccoapo/magazine/23.html

※10 出典：添付文書「ツムラ大柴胡湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/008/pdf/008-tenbun.pdf

まとめ

大柴胡湯は、ストレスや便秘、肩こり、肥満傾向など、現代人の「体の滞り」を整える代表的な漢方薬です。
柴胡・黄芩・枳実・大黄などが連動して、体の熱と気の停滞を取り除き、内臓と自律神経のバランスを整えます。

体力があり、実証傾向で、イライラ・便秘・上半身の張りなどを訴える人に適しており、
消化器症状とストレスを同時に緩和できる点が大きな特徴です。

ただし、副作用として、下痢・肝機能異常・低カリウム血症には注意が必要です。
また、稀ではありますが間質性肺炎などの重大な副作用も報告されています。
特に長期服用や他の漢方との併用時には、定期的な医師のフォローを受けましょう。

オンライン診療でも処方が可能な今、
「我慢して抱え込む」よりも、「早めに整えて軽やかに生きる」時代へ。
大柴胡湯は、心と体のバランスを取り戻すための、頼れる味方になります。

【待ち時間が少ない】オンライン診療の詳細を見る