葛根湯加川芎辛夷は市販で買える？効果や副作用、飲み方、処方薬との違いを医師が解説

葛根湯加川芎辛夷とは

葛根湯加川芎辛夷（かっこんとうかせんきゅうしんい）は、「葛根湯」に川芎（せんきゅう）と辛夷（しんい）を加えた漢方医薬品です。鼻づまりや慢性鼻炎、蓄膿症など、鼻に関する不調に広く用いられています。

医療用の葛根湯加川芎辛夷は、複数の生薬を一定の割合で組み合わせ、その乾燥エキスが一定量含まれるように製剤化されています。市販薬にも似た名称の製品がありますが、医療用と市販では配合の設計が異なる場合があるため、症状の程度や体質によって使い分けることが大切です。

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処方薬としての葛根湯加川芎辛夷

成分とエキス量

ツムラの医療用「葛根湯加川芎辛夷エキス顆粒」には、1日量7.5g中に以下の生薬から抽出した乾燥エキス4.0gが含まれています。

• カッコン 　：4.0g
• タイソウ 　：3.0g
• マオウ 　　：3.0g
• カンゾウ 　：2.0g
• ケイヒ 　　：2.0g
• シャクヤク ：2.0g
• シンイ 　　：2.0g
• センキュウ ：2.0g
• ショウキョウ ：1.0g

これらの生薬が総合的に作用し鼻の不調に作用します。

効能効果

添付文書では、本剤の効能効果として次の三つが明記されています。

• 鼻づまり
• 蓄膿症
• 慢性鼻炎

いずれも鼻の中で炎症や粘膜の腫れが続くことで起きる症状であり、葛根湯加川芎辛夷はこれらの改善を目的に使用されます。風邪の初期に使われる葛根湯に比べ、より鼻の症状に特化した処方となっています。

用法用量

成人の通常量は、1日7.5gを2〜3回に分けて、食前または食間に服用します。

また年齢・体重・症状により医師が量を調節します。

注意事項・副作用について

葛根湯加川芎辛夷には麻黄（マオウ）や甘草（カンゾウ）が含まれており、以下のような注意が必要です。

・狭心症、高血圧症、甲状腺機能亢進症などの持病がある場合、症状が悪化する可能性

・甘草による偽アルドステロン症（低カリウム血症・むくみ・血圧上昇）

・不眠、動悸、発汗過多、胃部不快感、下痢などの自律神経症状、消化器症状

また、長期間使用する場合や他の漢方薬・医薬品を併用する場合は、生薬の重複や作用増強に注意が必要です。

出典：ツムラ「ツムラ葛根湯加川芎辛夷エキス顆粒（医療用）」https://medical.tsumura.co.jp/products/002/pdf/002-tenbun.pdf

葛根湯加川芎辛夷は市販で購入できる？

市販薬の葛根湯加川芎辛夷は、鼻づまりや鼻炎症状を手軽にケアしたいときに選ばれています。ただし、医療用と配合量や設計が異なる場合があるため、特徴を理解したうえで使用することが大切です。

以下では、ツムラ、クラシエ、伸和製薬といった主要な市販品を、公式情報を基に整理します。

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ツムラ

特徴

• 顆粒タイプなので、錠剤が飲めない・飲みづらい人に向く
• 1日2回であり、服薬回数が少ないので簡便
• 鼻づまり、鼻の不快感に使用され、特にお風呂に入って体が温まると症状が楽になる方に合う
• 医療用と同様の生薬構成
• 眠くなるような成分は入っていない
• 2歳未満は服用ができない
• 4日分で1650円

出典：ツムラ「ツムラ葛根湯加川芎辛夷エキス顆粒」https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/kakkontokasenkyushini.html

クラシエ

クラシエからも、葛根湯加川芎辛夷の市販薬が販売されています。錠剤タイプを採用しており、携帯しやすく、外出先でも使用しやすい形状が特徴です。

特徴

• 錠剤タイプで飲みやすく、携帯性に優れる
• 1日3回
• 鼻づまり、慢性鼻炎などに用いられる
• クラシエの一般用漢方シリーズとして販売
• 5歳未満は服用ができない
• 8日分で2075円

出典：クラシエ「「クラシエ」葛根湯加川キュウ辛夷エキス錠［96錠］」https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/kakkontokasenkyushini.html

伸和製薬

錠剤タイプで、比較的コストが抑えられた市販薬として広く利用されています。

特徴

• 錠剤タイプで比較的安価
• 1日3回鼻づまり、慢性鼻炎のケアを目的に使用
• 構成生薬は葛根湯加川芎辛夷に準じる
• 5歳未満は服用ができない
• 20日分で4598円

市販薬は、手に入りやすく手軽に使える点が魅力ですが、生薬の配合量や抽出エキス量は医療用漢方薬と異なることが多く、症状が続く場合には注意が必要です。

葛根湯加川芎辛夷の市販薬と処方薬の違い

市販薬の特徴と限界

市販の漢方薬は、ドラッグストアや通販で購入でき、初期症状や軽い鼻づまりのケアには役立つことがあります。しかし以下の点は注意が必要です。

配合量（エキス量）が処方薬と異なる場合がある

市販薬はメーカーにより、生薬量・抽出エキス量が医療用と異なることがあります。

公式サイトでは構成生薬は明記されていても、医療用と同量とは限りません。

具体的には、ツムラの市販薬は医療用の1/2量、クラシエも1/2量、伸和製薬は約3/5量となっています。

このため、鼻づまりや慢性鼻炎の症状が強い場合、医療用と比較して効果を実感しにくいことがあります。

長期使用の自己管理が難しい

甘草を含む市販漢方には、偽アルドステロン症のリスクがあります（むくみ、血圧上昇など）。医療用添付文書でも甘草の注意は明確に記載されているため、自己判断での長期使用や複数漢方の併用は推奨できません。

鼻炎・蓄膿症が慢性化するリスク

鼻の炎症が長く続いている状態では、葛根湯加川芎辛夷以外の治療が必要になることもあります。市販薬を続けてしまい、受診が遅れると治療が長期化しやすくなります。

オンライン診療で漢方外来を受診するメリット

自宅から鼻の症状を相談できる

鼻炎・鼻づまりは、生活の質を大きく下げる症状にもかかわらず、病院へ行くほどではないと考えがちです。オンライン診療なら、自宅から症状を相談でき、スムーズに医師の評価を受けることができます。

鼻の状態が悪化したタイミングで相談できるため、「良いときに受診してしまって伝わりにくい」という心配もありません。

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市販薬で迷うより、安全性と効果が高い選択ができる

市販薬は手に入りやすい一方で、エキス量が医療用より少ないため、症状が強い場合には十分な改善が得られないことがあります。

また、甘草・麻黄を含む漢方薬では、血圧上昇や不眠などの副作用に注意が必要です。

オンライン診療では、医師が体質・持病・服薬歴を考慮しながら処方薬を選ぶため、安全性と効果の両面で市販薬より適した治療が期待できます。

患者目線のクリニックなら、相談から処方まで自宅で完結

患者目線のクリニックのオンライン診療では、鼻づまりや鼻炎の相談から漢方薬の処方までが自宅で完結できます。また朝6時から夜24時まで、土日祝日も対応しています。仕事の前後や子供が寝た後の深夜でも受診しやすいため、負担にならずに通院することが可能です。

患者目線のクリニックで葛根湯加川芎辛夷を受け取るまでの流れ

1.Webから受診日時を予約

まず、予約フォームからご希望の日時を選択し、オンライン診療の予約を行います。予約は24時間対応しており、当日予約も可能です。

2.診察前に問診をWebで回答

予約完了後、登録したメールアドレスに問診票が送信されます。診察前にWeb上で問診に回答してください。

3.診察に必要なアプリをインストール

予約完了メールの案内に従い、オンライン診療に必要なアプリ「M3デジカルスマート診察券」をスマートフォンにダウンロードし、クレジットカードや保険証の情報を登録します。

4.予約時間に医師と診察

予約時間になったら、スマートフォンのビデオ通話を通じて医師の診察を受けます。診察前にアプリのホーム画面で「チェックイン」を行ってください。

5.お薬の処方

診察後、医師が必要と判断した場合、処方箋が発行されます。

すぐにお薬が欲しい場合は近くの薬局で最短30分で受け取り、外出を控えたい場合は自宅配送など、都合に合わせて選べます。

6.お会計

診察後、登録したクレジットカードから診察料や薬代が自動的に引き落とされます。診察代やお薬代は対面診療とほぼ同じであり、オンラインのシステム利用料として、別途1000円がかかります。

診察に必要なもの

スマートフォン、クレジットカード、健康保険証、（お持ちの方）医療証、お薬手帳、検査結果など。

詳しくは、患者目線のクリニック オンライン診療をご覧ください。診療の流れや処方についてご不明な点があれば、Webサイトからお気軽にお問い合わせください。

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まとめ

葛根湯加川芎辛夷は、鼻づまりや慢性鼻炎、蓄膿症に使われる漢方で、処方薬では生薬量やエキス量が明確に規定されており、症状に対する効果が安定しやすい特徴があります。一方、市販の葛根湯＋辛夷エキス製品は手軽に使えるものの、処方薬に比べてエキス量が少ない設計である場合が多く、症状が続くときには十分に働かないことがあります。また、市販薬では体質判断ができず、甘草や麻黄を含む漢方の安全性管理を自己判断で行うことになる点も注意が必要です。

鼻の不調が長引くときは、市販薬を続けるよりも、医師が体質や症状を評価したうえで適切な漢方を処方するほうが安全で効果的です。オンライン診療なら、自宅から症状を相談でき、写真で経過を共有しながら治療を進められるため、忙しい方や子育て中でも受診しやすい点が大きなメリットです。特に、患者目線のクリニックには漢方専門外来も設けられており、鼻づまりや鼻炎に合う処方薬を丁寧に選んでもらうことができます。

鼻の症状が続く、繰り返す、改善しにくいと感じたときは、早めにオンラインで漢方外来へ相談することで、より確実で安心なケアにつながります。

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