桂枝湯(ケイシトウ)とは

「かぜをひいたかもしれないけれど、まだそこまでひどくない」
「寒気がするのに汗も出ている」
「なんとなく体がだるく、ゾクゾクする」

こうした、かぜのひきはじめによく用いられる漢方薬が桂枝湯(ケイシトウ)です。

単に発熱や頭痛といった症状だけを見るのではなく、

  • 自然に汗が出ている
  • 寒気がする
  • 微熱や発熱がある
  • 頭痛がある
  • 体力があまり強くない
  • 疲れやすい

といった状態を背景に、体の抵抗力やバランスが崩れている状態を整えることを目的としている点が、この漢方薬の特徴です。

西洋医学的には、かぜの初期症状に対して処方が検討されることが多く、解熱鎮痛薬のように症状だけを抑えるのではなく、体を温めながら自然な回復をサポートするという考え方で用いられます。

また、桂枝湯は漢方医学において最も基本的な処方のひとつとされており、後世のさまざまな漢方薬の基礎となった処方としても知られています。実際に、桂枝湯をもとに生薬を加減することで、多くの関連処方が作られており、漢方医学では重要な位置付けを担っています(参考※1)。

この記事では、桂枝湯の効果、向いている体質や症状、構成生薬、副作用、飲み方、市販薬との違いについて医師の視点でわかりやすく解説します。

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※1 参考:独立行政法人国立病院機構福岡病院「心療内科ってなぁに?第118回:医食農の話(5)」

https://fukuoka.hosp.go.jp/psm-info/post-20526/

桂枝湯が向いている人・症状

桂枝湯は、以下のような状態の方に適しています(参考※2)。

  • 体調の特徴:かぜのひきはじめで、体力があまり強くない
  • 発熱の特徴:高熱ではなく、微熱や軽い発熱がある
  • 症状の特徴:寒気があり、体がゾクゾクする
  • 発汗の特徴:寒気があるのに自然に汗が出ている

「寒気がするのに汗が出る」「かぜをひいたようなだるさがある」といった、かぜの初期症状を整える際によく用いられる漢方薬です。

漢方では、体の表面を守る働きが弱くなり、汗とともに体力を消耗している状態を想定して用いられます。そのため、症状を抑えるだけでなく、体のバランスを整えながら自然な回復を促すことを目的としています。

一方で、汗がほとんど出ておらず、体力が比較的ある方には適さない場合があります。

同じかぜのひきはじめでも、「寒気が強く、肩や首のこわばりがあり、汗が出ていない」といった場合には、葛根湯が選択されることもあります。

また、高熱が続く場合や強い咳・息苦しさを伴う場合は、単なるかぜではない可能性もあるため注意が必要です。

ご自身の症状が桂枝湯に適しているか分からない場合は、一度医師へ相談することをおすすめします。

※2 参考:ツムラ桂枝湯エキス顆粒(医療用)添付文書
https://medical.tsumura.co.jp/products/045/pdf/045-tenbun.pdf

構成生薬と処方の考え方

桂枝湯は、体を温めながら発汗や体調のバランスを整え、かぜのひきはじめの症状を改善することを目的とした漢方薬です。

構成生薬は、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、大棗(タイソウ)、甘草(カンゾウ)、生姜(ショウキョウ)の5種類で構成されます(出典※3)。

  • 桂皮・生姜:体を温め、寒気や発熱などのかぜ症状を和らげます
  • 芍薬:体の緊張を和らげ、全身のバランスを整えます
  • 大棗・甘草:胃腸機能を支えながら、生薬同士の働きを調和させます

桂枝湯は、単に熱や頭痛を抑える薬ではありません。体を温めながら発汗のバランスを整え、かぜの初期に乱れた体の状態を立て直すことで、自然な回復をサポートすることを目的とした漢方薬です。

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※3 出典:医薬品インタビューフォーム「ツムラ桂枝湯エキス顆粒(医療用)」
https://medical.tsumura.co.jp/products/045/pdf/045-if.pdf

飲み方・服用のタイミング

医療用のツムラ桂枝湯エキス顆粒では、通常、成人では1日7.5g(3包)を、1日2〜3回に分けて、食前または食間に服用します(出典※4)。

漢方薬は一般に空腹時の方が吸収が安定しやすく、桂枝湯も同様に、食前または食間での服用が基本となります。食前は食事の30分〜1時間前、食間は食後2〜3時間を指します。

粉薬が苦手な方や服用時に違和感を覚える方では、少量のぬるま湯に溶かしてゆっくり飲むことで、飲みやすくなる場合があります。

桂枝湯は、かぜのひきはじめに用いられる漢方薬です。そのため、症状が出始めた比較的早い段階で服用を開始することで、効果を期待しやすいと考えられています。

一方で、高熱が続いている場合や症状が悪化している場合には、桂枝湯が適さないこともあります。服用しても改善がみられない場合や、咳や息苦しさなどの症状が強い場合には、自己判断で継続せず医療機関へ相談しましょう。

※4 出典:添付文書・薬剤情報「ツムラ桂枝湯エキス顆粒(医療用)」
https://medical.tsumura.co.jp/products/045/pdf/045-tenbun.pdf

副作用・注意点

桂枝湯は比較的安全性の高い漢方薬ですが、体質や体調によっては副作用が起こることがあります。

薬剤添付文書では、重大な副作用として、偽アルドステロン症、ミオパチーが報告されています(出典※5)。

本剤には甘草が含まれているため、偽アルドステロン症と呼ばれる状態が起こることがあります。低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム・体液の貯留、むくみ、体重増加などがみられることがあり、進行すると筋肉のけいれんや脱力(ミオパチー)が起こることもあります。

また、比較的まれではありますが、発疹、発赤、かゆみなどの過敏症が報告されています(出典※5)。

服用中に、むくみ、急な体重増加、手足のだるさ、筋肉のけいれん、脱力感、発疹など、普段と異なる症状が現れた場合には、自己判断で服用を続けず、医師や薬剤師に相談してください。

また、桂枝湯は「寒気があるのに自然に汗が出ている」といった、かぜのひきはじめの状態に適した処方です。高熱が続いている場合や、症状が進行している場合には適さないこともあるため、症状に応じた処方選択が重要です。

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※5 出典:添付文書・薬剤情報「ツムラ桂枝湯エキス顆粒(医療用)」
https://medical.tsumura.co.jp/products/045/pdf/045-tenbun.pdf

桂枝湯を入手するには?|オンライン診療でも処方可能

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桂枝湯は、医療機関で医療用漢方薬として処方されるほか、一般のドラッグストアで市販薬として購入することも可能です。

ただし、市販薬と医療用では剤形や用法・用量が異なる場合があり、症状や体質に応じて適切な漢方薬を選ぶためには、医師の診察のもとで処方を受ける方が望ましいケースもあります。

自己判断で市販薬を使い続けるよりも、まずは医師に相談し、

  • 発熱や寒気の程度
  • 汗の有無
  • 咳や鼻水などの症状
  • 症状が出始めた時期
  • 持病や現在服用している薬

などを含めて整理することが大切です。

オンライン診療においても、症状の経過や発熱の程度、発汗の有無、全身状態、既往歴、現在の服薬状況などを確認したうえで、桂枝湯が適応となるかどうかを判断します。

必要に応じて、葛根湯など他の漢方薬を検討したり、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症など別の疾患の可能性を考慮して、対面診療を提案したりすることもあります。

『患者目線のクリニック』では、桂枝湯が適応となるかぜ症状だけでなく、発熱や咳、のどの痛みなど幅広い体調不良について相談が可能です。

年中無休、6時から24時まで診療を行っており、お忙しい方でも受診しやすい環境を整えています。

全国どこからでも受診でき、最短30分で処方箋発行。すぐに近隣の薬局で受け取ることも可能です。

「できるだけ早く治療を始めたい」という方は、近隣の薬局での当日受取が便利です。もちろん、外出が難しい方は最短翌日に届く自宅配送も選択できます。

仕事や家事の合間、夜間や休日など、自分の生活リズムに合わせて相談しやすい体制が整っています。

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桂枝湯の市販薬|代表的な製品と特徴

桂枝湯を市販で試したい場合、ドラッグストアやオンラインショップで購入できる製品があります。かぜのひきはじめで、寒気がある一方で自然に汗が出ている状態や、微熱、頭痛などの症状に対してセルフケアとして検討されることがある漢方薬です。ただし、市販薬は製品ごとに成分量や用法が異なるため、特徴を理解して選ぶ必要があります。

ツムラ「ツムラ漢方桂枝湯エキス顆粒」

顆粒タイプの第2類医薬品です。成人(15歳以上)は通常1回1包(1.875g)を1日2回、食前または食間に服用します。7〜14歳は2/3包、4〜6歳は1/2包、2〜3歳は1/3包と、小児にも使用できる点が特徴です。服用回数が1日2回のため、仕事や学校で忙しい方でも継続しやすい製品です。

出典:ツムラ「ツムラ漢方桂枝湯エキス顆粒」
https://www.tsumura.co.jp/brand/products/kampo/045.html

三和生薬株式会社「サンワ桂枝湯エキス細粒「分包」」

細粒タイプの第2類医薬品です。成人(15歳以上)は通常1回1包を1日3回、食前または食間に服用します。7歳〜14歳は2/3包、4歳〜6歳は1/2包が目安です。漢方製剤を専門的に取り扱う三和生薬の製品で、細粒タイプのため水やお湯と一緒に服用しやすいのが特徴です。

出典:三和生薬株式会社「サンワ桂枝湯エキス細粒「分包」」
https://www.sanwashoyaku.co.jp/products/detail/post-122.php?p=&c=1

市販の桂枝湯は、かぜのひきはじめのセルフケアとして利用しやすい一方、症状や体質によっては他の漢方薬が適している場合もあります。もし数日間服用しても改善がみられない場合や、高熱・強い咳などの症状が現れた場合は、服用を中止して医療機関を受診してください。

桂枝湯に関するQ&A

Q:どんな症状に使われることが多いのですか?

桂枝湯は、かぜのひきはじめに用いられることが多い漢方薬です。特に、寒気がある一方で自然に汗が出ている、微熱がある、頭痛がする、体がだるいといった症状に対して処方が検討されます。

漢方では、体の表面を守る働きが弱くなり、汗とともに体力を消耗している状態を整える目的で用いられます。

一方で、高熱が続く場合や症状が進行している場合には適さないこともあります。自分の症状が単なるかぜによるものか見極めが難しい場合は、医師の診察を受けるのが確実です。

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Q:葛根湯との違いは何ですか?

桂枝湯と葛根湯は、どちらもかぜのひきはじめに用いられる代表的な漢方薬です。

葛根湯は比較的体力があり、寒気が強く、汗が出ておらず、肩や首のこわばりを伴う方に向いています。

一方、桂枝湯は体力があまり強くなく、「寒気があるのに汗が出ている」という状態に向いています。

同じかぜの初期でも、体質や症状によって適する漢方薬は異なるため、迷う場合は医師や薬剤師へ相談しましょう。

Q:他の薬や漢方と併用できますか?

併用できる場合もありますが、漢方薬同士では生薬構成が重複することがあります。

桂枝湯には甘草が含まれているため、他の甘草を含む漢方薬との併用には注意が必要です。複数の漢方薬を自己判断で併用すると、副作用のリスクが高まる可能性があります。

現在服用している薬がある場合には、医師または薬剤師へ相談してください。

Q:妊娠中や授乳中でも使えますか?

妊娠中または妊娠している可能性のある方への投与は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合に限り、医師の判断のもとで使用が検討されます(出典※6)。

授乳中についても、症状や体調を踏まえて使用が検討されます。市販薬であっても自己判断で服用せず、主治医や薬剤師へ相談することが大切です。

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※6 出典:添付文書・薬剤情報「ツムラ桂枝湯エキス顆粒(医療用)」
https://medical.tsumura.co.jp/products/045/pdf/045-tenbun.pdf

まとめ

桂枝湯は、かぜのひきはじめにみられる寒気や微熱、自然な発汗といった症状を、体のバランスの乱れとして捉え、体を温めながら整えていく漢方薬です。

一般的なかぜ薬のように症状を一時的に抑えることを目的とするのではなく、発汗や体調のバランスを整えることで、自然な回復をサポートするという考え方で用いられます。

特に、「寒気があるのに汗が出ている」「なんとなく体がだるい」「かぜをひき始めた気がする」といった状態で選択肢となることが多い処方です。

一方で、すべてのかぜ症状に適しているわけではありません。高熱が続く場合や症状が悪化している場合、市販薬を数日服用しても改善しない場合には、他の治療や検査が必要な病気が隠れていることもあります。

症状が続く場合や、自分の症状に桂枝湯が合っているか分からない場合には、市販薬だけで様子を見るのではなく、一度医師へ相談することをおすすめします。

『患者目線のクリニック』では、かぜ症状や発熱、のどの痛み、咳などの急性症状についてもオンラインで相談することができます。

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かぜのひきはじめは、「少し様子を見よう」と考えているうちに症状が悪化してしまうこともあります。

「市販薬でよいのか分からない」「どの漢方薬が合っているのか知りたい」と感じたときには、早めに医師へ相談することも一つの選択肢です。

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執筆

市川 峰大

市川 峰大

所属: 患者目線のクリニック

滋賀医科大学卒業後、済生会泉尾病院や大阪公立大学医学部附属病院および関連病院で総合内科・腎臓内科・糖尿病内科の診療に携わる。基幹病院の急性期医療で経験を重ねる一方、事業領域にも関わる経験を持つ。現在は緩和医療に従事し、病状はもちろん、生活や背景にも寄り添った診療を大切にしている。日本専門医機構認定内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医。

オンライン診療について

オンライン診療と対面診療の違い

オンライン診療と対面診療の比較表

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※厚生労働省『令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況』を参照し、中央値を用いた推定平均値。

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1. Webから
受診日時を予約

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2. 診察前に問診を
Webで回答

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アプリをインストール

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※2回目以降はデジスマ診察券アプリからご予約ください。登録済みの情報を引き継ぐことができ、スムーズに予約できます。

予約時間になったら医師と診察

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夜間・早朝等加算について

診療報酬点数の算定基準に基づき、

下記の時間帯に診療を受けられる方に関して初診料及び再診料に加えて、

夜間早朝等加算をいただいております。

平日 6~8時・18~22時 / 土曜日 6~8時・12~22時

/日曜日・祝日 6~22時

3割負担の方は150円、1割負担の方は50円多くいただくことになります。

上記時間帯を指定して予約を取られた方も加算の対象となりますので、あらかじめご承ください。

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・2割負担の方 100円

・3割負担の方 150円

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泌尿器科

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睡眠外来

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小児科

風邪|鼻炎|便秘|下痢|発疹|アトピー など

その他

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クリニック紹介

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白月 遼(代表理事)

  • 旭川医科大学 卒業
  • 資格:医師、日本外科学会専門医、日本小児学会専門医、がん治療認定医、日医認定産業医

東京 虎ノ門・新橋で対面診療も受診可能

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Q 自分の症状でオンライン診療を受けられますか?
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当院のオンライン診療では、内科・皮膚科・泌尿器科・アレルギー科・小児科などのさまざまな症状に対応しています。治療・処方にあたり、検査や処置が必要な場合は対面診療をお願いすることがあります。詳細はお問い合わせください。

Q 来院は不要ですか?
A

初診からオンライン診療を受け付けています。症状によっては、オンライン診療ではなく、外来での受診をお勧めするケースがあります。

Q 対面診療(外来)より高くなりますか?
A

外来時と比べて、診察料は大きな差はなく同水準です。交通費などがかからず、家やオフィスで他のことをしながら待てるので、負担は少ないです。

Q 薬の受け取りは、どうするのですか?
A

受診時に「配送」または「ご希望の薬局で対面での受け取り」のどちらかを選択いただきます。「配送」の場合、オンラインで薬局の服薬指導を受けていただき、薬をお届けします。「ご希望の薬局で対面での受け取り」の場合、当院から該当の調剤薬局へ処方箋を送りますので、直接薬局に行き服薬指導を受け、薬を受け取ります。

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