柴胡桂枝湯（漢方薬）の処方について｜効果・副作用・飲み方を解説

柴胡桂枝湯とは

「風邪をひいて数日経つのに、熱っぽさやだるさが残る」
そんなときに処方される代表的な漢方薬が、柴胡桂枝湯（さいこけいしとう）です。

柴胡桂枝湯は、体の外側に寒気が残り、内側に熱がこもった状態、東洋医学でいう「少陽病（しょうようびょう）」に用いられる処方です。

体の内と外のバランスを整え、こじれた風邪や胃腸の不調を自然に回復へ導きます。

体力が中等度の人に適しており、発熱や悪寒、頭痛、胸のつかえ、胃のむかつきなどの症状があるときに用いられます（出典※1）。

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※1 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/010/pdf/010-tenbun.pdf

柴胡桂枝湯の効果

柴胡桂枝湯は、体の外側の寒気を取り除き、体内の熱を冷ます「和解少陽（わかいしょうよう）」の作用を持ちます。
風邪の初期と回復期の間にあたる“こじれた状態”に効果を発揮します。

感冒、頭痛、悪寒、発熱、胃のつかえ、吐き気、食欲不振などに用いられ、風邪や体調不良が長引いているときにも処方されます（出典※2）。

※2 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/010/pdf/010-tenbun.pdf

柴胡桂枝湯の構成生薬と作用

柴胡桂枝湯は、以下の10種類の生薬から構成されています（出典※3、参考※4）。

• 柴胡（サイコ）
• 黄芩（オウゴン）
• 半夏（ハンゲ）
• 人参（ニンジン）
• 甘草（カンゾウ）
• 大棗（タイソウ）
• 生姜（ショウキョウ）
• 桂皮（ケイヒ）
• 芍薬（シャクヤク）

柴胡・黄芩が体の内部の熱を鎮め、桂皮・芍薬が表面の寒気を取り除きます。
半夏・生姜は胃腸の働きを整え、人参・大棗・甘草が体力を補いながら全体のバランスを保ちます。

体の外と内の両面に作用して、こじれた風邪や胃腸の不調を整える処方です。

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※3 出典：ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/010/pdf/010-if.pdf
※4 参考：巣鴨千石皮ふ科「漢方薬10『柴胡桂枝湯』」
https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/saikokeishito.html

柴胡桂枝湯が向いている人・使い分けのポイント

柴胡桂枝湯は、風邪をひいてから数日が経ち、熱や寒気、胃の不快感、だるさが残るタイプに向いています。

目安となるのは以下のような症状です。

• 発熱と悪寒を繰り返す
• みぞおちのつかえや吐き気がある
• 胃が重く、食欲が落ちている
• だるさや頭痛、肩こりが続く

一方で、熱が強く汗が多い場合は「柴胡清肝湯」、冷えが強く胃腸が弱い場合は「人参湯」などが選ばれます（参考※5）。

※5 参考：巣鴨千石皮ふ科「漢方薬10『柴胡桂枝湯』」
https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/saikokeishito.html

用法・用量と飲み方

ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒（医療用）は、成人では1日7.5g（1回2.5gを1日3回）、食前または食間に服用します（出典※6）。
空腹時に服用することで吸収がよくなり、作用が発揮されやすくなります。

※6 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/010/pdf/010-tenbun.pdf

副作用と注意点

柴胡桂枝湯は比較的安全性の高い薬ですが、体質や併用薬により注意が必要です。
主な副作用は、発疹・発赤・かゆみなどの過敏症、まれに肝機能異常（AST、ALT上昇）・食欲不振・悪心などが報告されています（出典※7）。

構成生薬の柴胡には肝臓への作用があり、肝機能障害や間質性肺炎の報告がまれにあります。
また、甘草による偽アルドステロン症（むくみ、低カリウム血症）にも注意が必要です。

妊娠中・授乳中の使用は原則避けるべきであり、やむを得ず使用する場合は医師の判断のもとで行われます。自己判断で服用せず、必ず医師に相談してください。（出典※7）

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※7 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/010/pdf/010-tenbun.pdf

柴胡桂枝湯の薬価

病院やクリニックで処方される医療用の柴胡桂枝湯は、保険適用時に3割負担で5〜7日分あたり数百円程度です。
（薬価や実費はメーカー・年度により異なります）

柴胡桂枝湯を入手するには？｜オンライン診療でも処方可能

柴胡桂枝湯は、医療機関で処方される医療用医薬品のほか、ドラッグストアや通販でも一般用医薬品（OTC）として購入できます。

ただし、似た症状でも異なる治療が必要な場合があるため、自己判断での長期使用は避けるべきです。
症状が繰り返す、悪化する、長引く場合には、医師の診断を受けましょう。

近年ではオンライン診療を導入するクリニックが増えており、通院が難しい方でも自宅から診察・処方まで完結できます。
症状によっては、医師が対面診療を勧める場合もありますが、まず相談の入口として非常に有用です。

たとえば「患者目線のクリニック」では、柴胡桂枝湯をオンラインで処方しており、予約から診察・決済・薬の配送までを自宅で完結できます。薬は自宅配送のほか、最寄り薬局で受け取ることも可能です。

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よくある質問（Q&A）

Q：どんな人に向いていますか？

風邪をひいてから数日経ち、発熱・悪寒・倦怠感・吐き気・食欲不振が続く人に向いています（参考※8）。

Q：効果はどのくらいで出ますか？

個人差はありますが、経験則上は早い方だと服用後1〜2週間で体のだるさや胃の不快感の軽減を感じる方もいらっしゃいます。

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Q：他の薬や漢方と併用しても大丈夫？

他の柴胡剤や甘草を含む薬と併用すると、副作用が強まるおそれがあります。必ず医師・薬剤師に確認しましょう。

Q：妊娠中・授乳中でも使えますか？

妊娠中・授乳中は安全性が確立していません（出典※9）。自己判断での服用は避け、必ず医師に相談しましょう。

※8 参考：巣鴨千石皮ふ科「漢方薬10『柴胡桂枝湯』」
https://sugamo-sengoku-hifu.jp/medicines/saikokeishito.html

※9 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ柴胡桂枝湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/010/pdf/010-tenbun.pdf

まとめ

柴胡桂枝湯は、風邪の治りかけで熱や寒気が抜けないとき、胃の不快感やだるさが続くときに処方される漢方薬です。

10種類の生薬が体の外と内のバランスを整え、自然な回復を助けます。

風邪、胃腸炎、感冒後の疲労感、自律神経の乱れなど、体が「回復しきらない」状態に幅広く対応します。

ただし、副作用として、肝機能障害や甘草による電解質異常には注意が必要です。
また、妊娠中・授乳中は自己判断で服用せず、必ず医師に相談しましょう。
近年ではオンライン診療でも処方が可能で、自宅から相談することもできます。

風邪を引きずるような体のだるさや違和感を感じたとき、柴胡桂枝湯は体の調子を整えて、回復を後押ししてくれるやさしい漢方薬です。

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