「小青竜湯」処方薬の効果とは？副作用・飲み方・オンライン診療まで

小青竜湯とは

「寒気とともに、透明な鼻水や咳が止まらない」

そんなときに多くの医師がまず思い浮かべるのが、小青竜湯（しょうせいりゅうとう）です。

小青竜湯は、体を温めて水分代謝を整え、“冷え”による鼻水や咳を鎮める代表的な漢方薬です。
特に「透明でサラサラした鼻水」「寒気をともなう咳」「朝晩の冷えで悪化する咳」など、“寒と水”が関係する症状に適しています（出典※1）。

風邪やアレルギー性鼻炎、気管支炎、さらには気管支喘息など、幅広い呼吸器症状に応用されます。

この記事では、小青竜湯の効果・構成生薬・副作用・服用方法から、オンライン診療での処方までを、医師の視点で詳しく解説します。

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※1 出典：クラシエ 漢方セラピー「小青竜湯（しょうせいりゅうとう）」
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/shoseiryuto.html

小青竜湯の効果

小青竜湯は、体の外側が冷えて体内に余分な水分（痰や鼻水）がたまる状態、東洋医学でいう「表寒（ひょうかん）」および「水飲（すいいん）」を改善します。

つまり、体が冷え、鼻水・咳・くしゃみ・痰などの症状が出ている段階に使われます。
体を温めつつ、体内の“余分な水”を外に出すことで、症状を根本から軽減していきます。

臨床的には、アレルギー性鼻炎、感冒（風邪）、気管支炎、気管支喘息、アレルギー性結膜炎などに用いられ、冷えをともなう呼吸器系疾患に適応があります（出典※2）。

※2 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ小青竜湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/019/pdf/019-tenbun.pdf

小青竜湯の構成生薬と作用

小青竜湯は、以下の8つの生薬（しょうやく）から構成されています（出典※3、参考※4）。

• 麻黄（マオウ）
• 桂皮（ケイヒ）
• 乾姜（カンキョウ）
• 細辛（サイシン）
• 半夏（ハンゲ）
• 五味子（ゴミシ）
• 芍薬（シャクヤク）
• 甘草（カンゾウ）

このうち、「麻黄（マオウ）」「桂皮（ケイヒ）」「乾姜（カンキョウ）」「細辛（サイシン）」は体を温めて寒気を取り除き、「半夏（ハンゲ）」「五味子（ゴミシ）」「芍薬（シャクヤク）」「甘草（カンゾウ）」は咳を鎮め、痰や鼻水などの水の異常を整える働きを持ちます。

特に、麻黄と細辛の組み合わせが発汗と鎮咳を促し、五味子と半夏が呼吸器症状を落ち着かせる中心的な役割を果たします。
このように、体を温めながら余分な水分を外へ排出する「温化水飲（おんかすいいん）」の代表的処方です。

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※3 出典：ツムラ医薬品インタビューフォーム「ツムラ小青竜湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/019/pdf/019-if.pdf

※4 参考：クラシエ 漢方セラピー「小青竜湯（しょうせいりゅうとう）」
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/shoseiryuto.html

小青竜湯が向いている人・使い分けのポイント

小青竜湯は、「寒気があり、水っぽい鼻水や痰が出るタイプ」に適しています。
典型的には次のような症状を目安に用いられます。

• 透明でサラサラした鼻水・くしゃみが止まらない
• 咳が長引いているが、痰は薄く水っぽい
• 冷えると咳や鼻水が悪化する
• 朝晩に咳が強く出る
• アレルギー性鼻炎や喘息が寒い日に悪化する

一方、熱感が強く、黄色く粘りのある痰や濃い鼻汁が出る場合は、体内に熱がこもっている「熱証（ねっしょう）」の状態であり、麦門冬湯（ばくもんどうとう）など別の処方が適します。

小青竜湯は、冷えや湿気が関係する「水の偏り」に強く作用する点が特徴であり、慢性的な鼻炎や気管支炎にも応用されます（参考※5、参考※6）。

※5 参考：漢方ナビ「小青竜湯」
https://www.kamponavi.com/med/976

※6 参考：クラシエ 漢方セラピー「小青竜湯（しょうせいりゅうとう）」
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/shoseiryuto.html

用法・用量と飲み方

ツムラ小青竜湯エキス顆粒（医療用）は、成人では1日7.5g（1回2.5gを1日3回）、
食前または食間に水または白湯で服用します（出典※7）。

空腹時に服用することで吸収がよく、発汗・温熱・鎮咳効果が高まりやすくなります。
冷えを感じるときには、服用後に体を温めて休むとより効果的です。

発汗作用をともなうため、服用後は水分補給を忘れずに行いましょう。

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※7 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ小青竜湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/019/pdf/019-tenbun.pdf

副作用と注意点

小青竜湯は比較的安全性の高い薬ですが、体質や併用薬によって注意が必要です。

報告されている主な副作用は、発疹・発赤・かゆみなどの過敏症、まれに肝機能異常（AST、ALT、γ-GTP上昇）などです（出典※8）。
また、構成生薬の麻黄（マオウ）にはエフェドリンが含まれており、交感神経を刺激して血圧上昇・動悸・不眠を引き起こすことがあります。

さらに、重大な副作用として間質性肺炎がまれに報告されています。
服用中に発熱・咳・息苦しさなどの症状が出た場合は、服用を中止してすぐに医師へ相談してください。

その他に、高血圧・心疾患・不眠傾向のある方は、服用前に必ず医師へ相談してください。
また、甘草（カンゾウ）には偽アルドステロン症を起こすリスクがあり、長期使用ではむくみや倦怠感、低カリウム血症などに注意が必要です。甘草は他の漢方にもよく含まれるため、飲み合わせによる過剰摂取にも気をつけましょう。

妊娠中・授乳中は安全性が確立していないため、有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用されます。
自己判断で服用せず、必ず医師に相談しましょう。

※8 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ小青竜湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/019/pdf/019-tenbun.pdf

小青竜湯の薬価

病院やクリニックで処方される医療用の小青竜湯は、保険適用時に3割負担で5〜7日分でも数百円程度です。
（薬価や実費はメーカー・年度により異なります）

小青竜湯を入手するには？｜オンライン診療でも処方可能

小青竜湯は、医療機関で処方される医療用医薬品のほか、ドラッグストアや通販でも一般用医薬品（OTC）として購入できます。
ただし、似た症状を呈する疾患（インフルエンザ、副鼻腔炎、細菌性気管支炎など）も多く、自己判断での長期使用は避けるべきです。

症状を繰り返す、悪化する、長引く場合には、医師の診断を受けましょう。

近年ではオンライン診療を導入するクリニックが増えており、通院が難しい方でも自宅から診察・処方が可能です。

オンライン診療では、医師が体質や既往歴を踏まえた上で処方を行うため、安心して利用できます。症状によっては、医師が対面診療を勧める場合もありますが、まず相談の入口として非常に有用です。

たとえば「患者目線のクリニック」では、小青竜湯をオンラインで処方しており、予約から診察・決済・薬の配送までを自宅で完結できます。
薬は自宅配送のほか、最寄り薬局で受け取ることも可能です。

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よくある質問（Q&A）

Q：どんな人に向いていますか？

冷えが強く、水っぽい鼻水・咳・痰が出る人に向いています。風邪やアレルギー性鼻炎で、体が冷えると悪化するタイプに適しています（出典※9）。

Q：効果はどのくらいで出ますか？

個人差はありますが、経験則上は早い方だと服用後15分ほどで効果が出る方もいらっしゃいます。

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Q：他の薬と一緒に飲んでも大丈夫？

総合感冒薬や他の漢方薬にも麻黄（マオウ）や甘草（カンゾウ）が含まれている場合があり、併用すると副作用が強まることがあります。必ず医師・薬剤師に相談してください。

Q：妊娠中でも使えますか？

妊娠中・授乳中の使用は原則避けるべきであり、やむを得ない場合のみ医師の判断のもとで使用されます（出典※10）。自己判断で服用せず、必ず医師の診察を受けましょう。

※9 出典：クラシエ 漢方セラピー「小青竜湯（しょうせいりゅうとう）」
https://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/prescription/shoseiryuto.html
※10 出典：添付文書・薬剤情報「ツムラ小青竜湯エキス顆粒（医療用）」
https://medical.tsumura.co.jp/products/019/pdf/019-tenbun.pdf

まとめ

小青竜湯は、体の「冷え」と「水の偏り」を整える代表的な漢方薬です。
8つの生薬が協調的に作用し、体を温めながら余分な水分を外に出し、咳や鼻水をやさしく整えます。

風邪やアレルギー性鼻炎、冷えによる咳など、さまざまな呼吸器症状に対応できる点が大きな特徴です。
臨床現場では季節の変わり目や寒暖差の大きい時期によく使われています。

ただし、麻黄（マオウ）や甘草（カンゾウ）を含む他の薬との併用、長期服用には注意が必要です。また、稀ではありますが間質性肺炎などの重大な副作用も報告されています。そのほかにも、妊娠中・授乳中の使用は避ける必要があります。
長期間服用する場合や、他の漢方薬を併用する場合は、定期的に医師の診察を受けると安心です。

オンライン診療でも処方が可能な今、「寒気と鼻水を我慢して過ごす」よりも、「早めに整えて快適に過ごす」時代へ。
小青竜湯は、あなたの呼吸を支え、体のバランスを取り戻す心強い味方になります。

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